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1 : :01/09/14 23:17
スレ立てtest

114 :第3章 本編:01/10/18 04:03 ID:N/T7vmcR

「やめて、て言ってるじゃない、聞こえてんの、ねぇ?」
「あぁ、チクショウ。どうなってんだよ!」

真希は的を得ない返事の応酬に、どうでもよくなっていた。

(もう、いいや)

心を覆い尽くす虚ろな気分は、更に増していた。

「ヒュー!やっぱデカイネ!真希の胸は。見たかったんだよ!!」

力づくでブラジャーを剥ぎ取る事に成功した少年の眼には、
薄く赤く色づいた乳首、そして大きすぎず、小さすぎず、
それでいて弾力性のある真希の乳房が飛び込んできた。
漸くと目標を達せられ、いよいよ少年の興奮はレベルを上
げた。

「ハァハァ・・・、どうだいいだろ?」
「・・・」

少年は、乱暴に乳房をもみし抱きながら、両方の乳首に
交互に吸い付いた。真希にとって、快感というよりもむ
しろ苦痛を伴うような愛撫が続く。暫くすると少年の乳
房への興味は薄れ始め、いよいよ真希の股間を弄り始め
た。乱暴にパンティーを剥ぎ取ると、いきなり陰部に食
らいついていた。

115 :第3章 本編:01/10/18 04:06 ID:N/T7vmcR

「ア、ンンン・・・」

激しい愛撫に真希は堪らず声を上げた。が、それは義務
感を伴う、儀礼めいたものであった。それでも、真希の
下半身を舐め回し続ける少年の感情を揺さぶるには十分
なものだった。

「何だよ、もう感じてんのかよ、やっぱおまえ厭らしいな」

真希の演技に疑うことを知らない少年は、更に激しく陰部
をなめ続けた。漸く陰部の中に埋もれていた柔らかいヒダ
を自身の舌で探し当てると、今度はそこばかりを集中して
責め続けた。

遠慮を知らない少年は、そしていきなり秘部に2本ばかり
指を挿入して、激しくその指を上下させ始めた。

「うぉー、おまんこの中、もうびしょびしょジャン。もう一本入れるぜ」

少年はその指使い同様、言葉使いも荒さを増してきた。

(やっぱ、コイツも同じなんだ・・・)

真希の心は、セックス時に感じるいつもと同じ様な虚無
感に包まれている。確かにそこは濡れ始めていた。でも
真希にとってそれは、あくまでも条件反射の一種のよう
なもので、決して歓喜の表現ではなかった。

116 :第3章 本編:01/10/18 04:08 ID:N/T7vmcR

「ン、あぁ、んんん・・・」
「おぉ、お前ホントエッチだな、ほらこの音、聞こえんだろ、
お前のだぜ」

真希の愛液と少年の唾液の絡み合う音がジュルジュルと響
き渡る。少年の興奮はピークを迎えていた。もはや極限ま
で膨張したそのペニスは、既に短パンの脇からその先を覗
かせている。当然ながら真希の眼にも入ってきたその陰茎
は、その少年の容姿には似つかわしくない程グロテスクで、
肉棒自身も意外なほどの大きさを備えていた。

(ふ〜ん、デカいじゃん)

真希は、その客観的事実に感心したが、かといって、それ
以上の興味が湧いた訳でもなかった。

「今度は、俺のを舐めろよ」

興奮の度合いを高めている少年は、命令口調で命ずると、
自分でパンツを脱ぎ捨て両手で真希の肩を押さえつけそ
の場に膝まづかせた。こうした一連の少年の行動に真希
は少し躊躇の表情を見せた。いやそれは躊躇というより
も、何もかも、あなたの言う通りにはならない、という
意思の表明でもあった。

真希は押し黙り顔を横に背けたまま、その場に座り込ん
で少年の命令を拒否し続けていた。

117 :第3章 本編:01/10/18 04:10 ID:N/T7vmcR

「・・・」
「おい、舐めてよ。ホラ・・・」
「・・・」
「なぁ、いいじゃん。咥えろよ、ホラさぁ」
「・・・」
「頼むよ、真希ちゃん。ねぇ、お願いだよ」

チッポケな真希の抵抗だったが、効果は覿面だった。いき
なりに彼の口調を優しくさせ、そして彼女に同調を求めて
くる。
この男は、もう私に逆らえない、真希はそう結論付けると、
言われるがまま、少年のペニスに食らいついた。そしてジ
ュルジュルと厭らしい音を立て扱き始めた。

「サンキュ!・・・うぉー、いいぞ」

少年は少し興奮気味に叫んだ。真希は舌を巧みに操り、
肉棒に絡ませる。赤づいたカリ頭にただ唾液を絡ませる
だけで、少年のペニスは激しく真希の口の中で上下して
いる。

少しの刺激でも、そのペニスからは十分すぎるほどの反
応が返ってくる。割れ目に舌を這わせて、厭らしい音を
わざと立てながら、口を上下させる。もう少年の肉棒が
頂点を迎えそうなのは明白でだった。

118 :第3章 本編:01/10/18 04:18 ID:N/T7vmcR

「あぁ、もう駄目だ・・・」

その瞬間、少年のペニスが真希の咥内で激しく屹立する。
真希はギラついた暴発寸前のそのペニスから口を離すと、
傍においてあったティッシュボックスに手を伸ばす。

真希はすばやく右手でティッシュを数枚取ると、彼の亀
頭に軽く押し付けた。すると亀頭の先から白い上バミ液
が出たかと思うと、一気に大量の白濁色の液が放出され
た。真希は冷静に少年の陰茎から出された大量のスペル
マを拭き取ると、サービスだと言わんばかりに、早くも
うなだれた少年のペニスを咥え、まだ肉棒の中に残る残
液を吸い取った。

この行為が彼にとっては至福の喜びを与えたようだ。ペ
ニスから真希が口を離すと少年は口元をダラシナク緩め
ながらその場にペシャンと座り込み、一人で感慨に浸っ
ていた。

「やべーよな、モー娘のゴマキにフェラしてもらったなんて
バレタラ。お前のファンに殺されちゃうよ」

少年は満足そうに微笑みながらその場にうつ伏した。その
全身から達成感と征服感がみなぎっている様だ。そうした
態度に真希は、何の関心も示さなかった。

暫くすると真希はイキナリ彼の上にまたがり、耳元で囁い
た。

「どうする?いれなくてもいいの?」
「えっもう?マジで・・・。ちょっと待ってよ、少しタイム、タイム」

少年は、よろめきながら立ち上がると、次なる体勢を整
えるために台所へと向かった。真希は静かに立ち上がり、
身体にまとわりついていた衣装をその場に脱ぎ捨て全裸
でベッドに横たわると、先程来から続く虚ろな目で天井
を見つめ続けた。

(私・・・何やっているんだろ・・・)


<続>

119 :第3章 本編:01/10/19 03:48 ID:EvSmLd8a

若く青く、そして苦々しいスペルマの匂いが充満している
部屋の中で、真希はこの本をくれた「あの人」の事を思っ
ていた。 真希は体勢を横に崩し、ベットの横においてある
絵本を手にとり、眺めた。

(・・・あの人が私にくれた本)

先日「彼」が再びくれたこの日記帳タイプの絵本は、真希
のお気に入りになっていた。

一人ぼっちの捨て猫が、心優しい人に拾われる。やっと安
住の地を得たのに、今度はその飼い主が死んでしまう。そ
れに気づかない猫は、ひたすらと飼い主を待ち続ける。餌
もなくなり、ひもじさと寂しさに耐えながら優しくしてく
れたその飼い主の思い出を一生懸命頭の中で紡ぎながら、
その猫は死んでいく・・・。

救いのない哀しい話だが、それでも真希はこの本が好きだ
った。真希は虚しい気持ちを紛らわすかの様に、パラパラ
とページを捲るが、ただ虚しさが増すだけだった。

真希はその絵本をベッドの横に置き直すと、再び天井を眺
めた。その刹那、急に何故か悲しみが押し寄せ、涙が零れ
そうになる。心の奥底が叫んでいた。

(あの人・・・今・・・どこに・・・いるのかな?)

120 :第3章 本編:01/10/19 03:58 ID:EvSmLd8a


「これは、何に使うんだい?」
「・・・」
「答えなきゃ、売らないとは言わないけど・・・」
「・・・」

「それにしても・・・」
「あなたは、それをホントに知りたいのかい?」

若からず、それでいて老いてもなく、年齢不詳のその男は、
商売相手となる細身でありながら上背のある青年から鋭く
返された言葉の勢いに完璧に飲み込まれていた。

窓の外には、幾重にも重なり、網の目のよう道標が張り巡
らされている日本最大の首都高速のジャンクションが見え
る。暗闇の中に、時折光る車のライトと規則正しく並んで
いる街灯の明かりが、儚くも美しかった。

時折、そばを走り抜ける大型トラックの騒音に邪魔をされ
ながらも、男達の相談は極めて静かに進んでいた

121 :第3章 本編:01/10/19 04:03 ID:EvSmLd8a

「いや、別に。・・・ただ、」
「ただ、何だ?」
「いや・・・、でも、まぁいいか・・・」
「それが互いのために賢明だよ」

「・・・それにしても金のほうは、ホントにあれでいいのか?」
「昨日、指定の当座口座に外貨預金で振り込んでおいたが・・・。
何か問題でも」
「いやいや、とんでもない。その逆だよ。あんなにいいのかい?
かなり多かったが・・・」

「それは、俺からの謝礼だ。随分とあなたには迷惑を掛けた
訳だしね。・・・それに、もう今の俺には、金は必要ないんだ・・・」
「それならいいんだが・・・。それにしても金に用がないなんて
羨ましい限りだね。、しかしこれだけのものを一体に何に…」

売る側の男は、少し言葉が淀んだ。それは、得も知れぬ
恐怖がそうさせたのかもしれない。長身の男は冷たい笑
いを浮かべ、その男の質問を制した。

122 :第3章 本編:01/10/19 04:13 ID:EvSmLd8a

「興味はないんだろ。何でもないさ。そうだろ?」
「ああ・・・そうだな。」

怯え切った返事をするその男の振る舞いに、細身の男は
少しだけ頬を緩めた。そして徐に足元に置かれた桐製の
大きなケースの一つに打ち込まれていた杭をレンチで引
っこ抜く。その中には、新聞紙と細かく切り刻まれた木
片に塗れて透明な液の入ったボトルが何本も入っていた。

「これで全部かい?」
「そうだよ。おまけつきさ」
「おまく?」
「そっちの箱がね。おまけさ。」

売人は少し茶目っ気を帯びた感じに言葉を放った。そして、
アルミ製の大きなケースを指差し、注意した。

123 :第3章 本編:01/10/19 04:42 ID:EvSmLd8a

「信管は抜いているけどね。気を付けてくれよ」
「分かっている」
「それから・・・」
「それから?」

売人はやや声のトーンを落として囁くように話し掛ける。
細身の男は、売人の顔に浮かぶ険しい表情を凝視した。

「くれぐれも、取り扱いには注意してくれ。足がついたら
シャレにならなくなるから」
「ああ」

「本当に頼むよ。あんたがこれで何をするかは知らないが
・・・いや知りたくもないが、騒ぎに巻き込まれるのだけは
ご免だ。それに・・・結果的に人殺しの片棒を担ぐのは・・・
金の為とはいえ俺としても・・・ね。なるべく穏便にしてくれ
ないか?」

「さぁね・・・あなたの申し出に応えられず残念だが俺は既に
覚悟を決めている。同じ覚悟をあなたに求める気はないが、
穏便に済ますつもりはない。それにその気があるなら、こん
な物騒なものをあなたに頼む訳もないだろう?」
「それはそうだが・・・」

「あなたは、心の中にくすんでいる物はあるかい?」
「くすんでいるもの?」
「燃え切れず、そして吹き飛ばされもせずに、心の奥底で
燻り続ける様な深い想いは、ないかい?」
「いや・・・。それじゃあ、あんたの胸にはあるのか、そういう
燻っている物が?」

「消したくても消せない、そういう焔みたいな芯がね・・・。
俺はそれを消す為に・・・還ってきたんだ、地獄の底から」
「・・・」

いつの間にか窓の外からは、車の走る音が消え、この夜に
再び静寂が訪れようとしていた。

124 :第3章 本編:01/10/19 04:48 ID:EvSmLd8a

先程まで会話を交わし、忙しなく動いていた売り手の男の
姿も消えていた。長身の男性は、自らが運転してきた小型
トラックに荷物の全てを載せ終わると、荷台の上でそのケ
ースを布団にして大の字に寝転んだ。

そして満天の夜空に広がる星屑を漫然とただ眺めていた。

「来るべき時が来たな」

長身の青年は、謎めいた言葉を一人呟き、相変わらず夜空
を眺めている。川の上を走ってきた少しだけ温い風が優し
く吹き抜けた。これで今日を以って全ての手筈が済んだ事
を静かに喜んでいた。

しかし、時間がない事も急がなければならない事に変わり
はない。心の奥に静かに眠る焔を消す為に、一刻の猶予も
許されない。それは自らに残された時間の少なさを確認す
る作業でもあった。

青年は大きく背伸びをし、真一文字に口を噤むと、運転席
に戻りエンジンを架けた。その車は、止まる位慎重にユッ
クリと真っ暗な砂利道を走り抜けると、シフトを変えスピ
ードを上げた。

車は闇から一転して眩しく光るその集団の中へと溶け込み
消えていく。纏わりつく様な夏の熱気を帯びた川面にその
影を残しながら。


<続>

125 :第3章 本編:01/10/20 04:11 ID:Jf4DxwyS

「よ〜し、やろうぜ!」

虚ろな真希の哀しい心を置き去りにするかの様に、少年は
漸くと体勢を整え徐に全裸の真希の上に乗りかかってきた。
少年は、真希の返事も聞かぬまま部屋の電気を消すと、そ
の薄暗闇の中で真希の全身を貪り始めた。

真希の顔、唇、肩、乳房、下腹部、そして秘部、脚先の指
の間まで不作法なまでの稚拙な愛撫は、止め処なく続いた。

「いいだろ!真希!」
「ン・・・アン・・・」

条件反射的に真希は喘ぎ声を出した。その声に反応し、少
年の乱暴な振る舞いは更に激しくなった。欲望を剥き出し
にしながら真希の陰部を執拗に舐め続ける。指先で割れ目
を探し、懸命に舌を入れる。「俺がいかせてやるぜ」とい
う、少年の自己満足感だけが、真希に伝わっていた。

真希は漫然としながらも少年の舌の動きに合わせる様に、
わざと喘ぎ声を重ねて見せる。それは単なる儀礼に過ぎ
なかったが、少年は知る由もない。止まらぬ自らの欲望
に一人勝手に溺れていた。

126 :第3章 本編:01/10/20 04:14 ID:Jf4DxwyS

「真希、どうだよ」
「アッ・・・ウン・・・」

少年には、そうした真希の反応が心地良く伝わる。少年は
頼まれてもいないのに、真希の肛門の穴まで舌を入れよう
とする。さすがの真希もそれは拒否した。腰をあげ両手で
少年を少しだけ突き上げた。

「ちょっと待って。ヤメテよ。それから・・・ゴム、用意するから」
「何だよ、ゴムかよ。生でヤラセテよ」
「駄目だよ、絶対」

真希は頑なに拒んだ。しかし少年は早くも極限まで屹立した
ペニスを立たせながら頑強なまでの自己主張を繰り返してい
た。

「いいじゃん、大丈夫だよ、外に出すからさぁ、信じてよ」
「駄目、ゴムつけないんじゃ、今日はここまでだよ!」
「いいじゃん、大丈夫だよ、じゃぁさ、取りあえず、生で
入れさせてくれるだけでいいから・・・」

少年はとにかく真希の中にそのままの形でペニスを入れる
事に拘っていた。しかし真希は断固拒否した。そしていき
り立つペニスを振り払うかのように、パンと起き上がると
窓際に駆け寄り、少し大きめな声で少年に言った。

127 :第3章 本編:01/10/20 04:16 ID:Jf4DxwyS

「駄目!もし、いれるんならやめるよ。外にいる人呼ぶから」
「そんな・・・」
「どうする?私マジだよ」
「・・・分かったよ。じゃあさぁ、今度は口に出させてよ。
それ位ならいいだろ?」
「・・・まぁ、いいよ」

少年は余程、先程のティッシュへの放出が不本意のようだ
ったらしい。真希は止む無く少年の申し入れを許諾した。
そして洗面所の一番上の棚奥からゴムを取り出してきた。
ベッド上で呆けていた少年を寝かせて、二、三回、肉棒を
口で扱いて唾液でペニスを湿らせてると徐にそのペニスに
ゴムを装着させた。

「ぴったりだね」
「ウッ。そうでもねえよ。チョット痛て〜な」

真希は、少年の上にまたがり自分で少年の陰茎を陰部に導
いた。少年はそれに呼応し、すかさずあわてて腰を動かそ
うとしたが上に乗っかる真希に諌められた。

128 :第3章 本編:01/10/20 04:18 ID:Jf4DxwyS

「ゆっくり!だから、そんなに急がないで」
「分かってるよ!・・・どうだ?」
「ウン。いいけど・・・、もう少し優しくしてよ」

明らかに少年のテクニックは稚拙であった。きっとこうい
う男にヤラれることのみを生きる糧にしているような、取
り巻きの女の子相手への自己中のセックスしか経験がない
のだろう。

彼女たちは、この少年のペニスを受け入れただけでオルガ
ズムを迎えるような単純思考の人間なのかしら・・・。

でも真希は違う。

いや、逆にいえば、いまベッドの上で必死の形相で真希の胸
にむしゃぶりつき、乳首を摘み、乳房を揉みしだき、絶叫を
上げているこの男こそが、モー娘のゴマキとやれる、という
だけで頂点に達している単純思考の人間に他ならなかった。

「すげ〜よ、真希、すげーよ」

もはや少年には、同じ言葉を何度も繰り返すしか術はなか
った。少年は、何度も挿入しなおしながら、騎乗位からバ
ックに回り真希を突き上げる。なまじ陰茎が大きいだけに、
真希の奥までペニスが到達する。さすがの真希も堪らず喘
ぎ声が漏れてしまった。

129 :第3章 本編:01/10/20 04:21 ID:Jf4DxwyS

「ア〜ン。アァ・・・。ウ〜ン」
「真希、真希!中に出してーよ!」

少年のその声に我を取り戻した真希は、すかさず体勢を入れ
替えると正常位になった。そして自ら腰を動かし、少年が絶
頂を迎えるのを早める。
両手で少年の上半身を愛撫し、上胸のあたりを軽く舐めた後、
乳首に軽いキスをした。少年の顔から判断するに、その時を
迎えるのは時間の問題であった。

「駄目だ・・・、もうイクよ!」
「・・・約束だもんね。口でして上げる」

少年は言うがままにピストン運動を止め、限界までに勃起
したペニスを真希の目前に差し出た。すると真希は、ゴム
の上から肉棒をさすり続け、裏筋にキスを重ねた。そして、
その下の袋にもそのキスを移すと、優しく袋を揉み出した。

「真希!いくよ!!もうダメだっ!!真希!」

少年は絶叫に近い叫び声で真希の名前を呼び続けた。その
まますれば精子が出るのはわかっていたが、真希はさっき
の約束を果たすべくゴムを剥いだ。

そして亀頭の先の割れ目をチロチロと数回舐める。更に陰
茎を激しく扱き上げペニスの赤みを増長させつつ、いよい
よ口に含もうかと構えた瞬間、割れ目から液が数滴垂れた
かと思うと、勢いよく白濁色のスペルマが真希の身体にシ
ャワーされた。

130 :第3章 本編:01/10/20 04:25 ID:Jf4DxwyS

「ちょっと、顔に出していいなんていってないよ!」
「ハァハァ、ハァハァ・・・」

少年は荒々しいうめき声を発しながらその場に倒れこんだ。
そのペニスの先からは、まだ残るスペルマがニョロニョロ
と噴出していた。

「ハァハァ・・・。よかっただろう?真希」
「・・・」

真希はその問いには答えず、顔にかかったスペルマを落とし
に洗面所に向かう。石鹸、そして洗顔液で、入念に何度も何
度も顔を洗った。それでも少年の精液の匂いが消えなかった。

「シャワー浴びるから」

真希はベッドの上に座り込んだままの少年に声をかけ、その
ままバスルームに入った。ボディシャンプーで何度も身体を
洗い流し、髪の毛にもシャンプーを施した。

その様は、スペルマの匂いだけでなく、肉欲の塊だった少年
自体の匂いを消すかの如く執拗であった。バスルームに備え
付けられている鏡に、そうした自分の姿を見つけた時、真希
の心に物凄い嫌悪感が棲み付いた。そして鏡の中の自分を見
つめると、心の中で呟いた。

(この女、ブス)

真希は浴槽につかりながらしばし呆然としていた。煙にく
もり、鏡の中の自分が消えていく。何故か無性に悲しくな
った。

(もう・・・ダメかな?)

ふいに真希の眼から涙が零れる。家族にも、事務所の人間
にも、仕事の仲間にも、そして真希に纏わり続ける「下ら
ない男ら」にも見せた事のない「心の叫びの涙」だった。

(もう、疲れたよ・・・)

蒸気で煙るバスルームの中、そして彼女は、静かに目を閉じた。


<続>

131 :第3章 本編:01/10/21 04:11 ID:xF5DFpkS

「キャー!ヤメテ!!!」
「叫んでも無駄だよ。この階には俺しか住んでいないんだ。
もっともっと叫んで良いよ」

梨華は叫びながら部屋中を走り回る。どうにかして玄関先
まで辿り着くと、震える手つきでチェーンを外し鍵を開放
しドアノブを必死に回した。

しかし一向にそのドアは開かない。梨華は華奢な身体で
荘厳な造りの玄関ドアに体当たりをして、もがいていた。

「どうしたの、開かないの?ほら梨華ちゃん、そのキーパット
見える?番号を押さないとこのドアは開かないんだよ」
「えっ?番号」

梨華は闇雲に番号を押し続けては、ドアに体当たりを繰り
返す。何度も何度も繰り返すうちに、梨華が着ている白
のカッターシャツの右肩部分が赤く滲んで来た。鈍い痛
みが梨華を貫く。それでも梨華は痛みを振り払い委細構
わずにドアに体当たりを繰り返していた。

132 :第3章 本編:01/10/21 04:14 ID:xF5DFpkS

「梨華ちゃん、諦めが悪いなぁ。もういい加減にしなさい」

男が梨華の背後に立つと梨華の両肩を掴んだ。その瞬間、
梨華は身体を回転させるとその男の頬を目掛けて目一杯
の力を込めて張り手をした。

ピシッという鈍い音が玄関先に響く。今までニヤついて
いた男の顔色が一変した。

「やるな。面白いじゃないか」

そういうと男は両手で乱暴に梨華の着ているカッターシ
ャツを引きちぎった。パラパラと縫い付けられていたボ
タンが玄関に落ちるとその下に身に付けていた薄いピン
ク色のブラジャーが露になった。梨華は慌てて両腕で胸
を隠したが男はその腕をやすやすと掴み上げるとドアに
押し付けた。

「痛い・・・」
「どうした?ん?そんなもんか?」

男は梨華を挑発するような口調で語り掛けると、徐に唇を
重ねてきた。男は無遠慮に梨華の咥内に舌をいれようとす
る。梨華は歯を食いしばり必死の抵抗を試みるが、男は梨
華の髪の毛を少し後ろに引っ張り上げ、強引に口を開かせ
て舌先を絡めてきた。

ピチャピチャという唾液の絡まる音が室内に響き渡る。梨
華の瞳からは、枯れ果てることのない涙が延々と流れ落ち
ていた。

133 :第3章 本編:01/10/21 04:16 ID:xF5DFpkS

男はそうした梨華の感情などには一切興味を示さずただ
自分の欲望を満たす為だけに、更に乱暴な手つきで未だ
少し纏わりついていた梨華のシャツを完全に引き千切り
捨てると、両手を掴んで部屋の奥に連れ戻した。

「イヤです、やめて下さい。私帰りたいんです…」
「うるさい女だな。少しは言うことを聞かんか!」

男は梨華を大きな外国製のソファーに叩き付けた。そして
カウンターに置いてあった果物ナイフを手に取ると、梨華
の露になった上半身に密着させた。

「何するんですか!!」
「君が少しうるさいからだよ。大人しくしなさい!」

男はそう言うと冷たくとがったその刃を梨華の首筋に当て
た。梨華は恐怖に震え、全身を硬直させている。男はそう
した梨華の態度に満足そうな笑顔を見せると、刃を次第に
下へとずらす。

ブラジャーに覆われた乳房の付近でその動きが止まる。ナ
イフの先がブラジャーの中央で小刻みに動く。その刹那、
「ピンッ」という音と共に梨華のブラジャーが弾け飛んだ。

134 :第3章 本編:01/10/21 04:18 ID:xF5DFpkS

「イヤ…、ヤメテ…」
「おや、ナカナカいい胸してるじゃない」

男の纏わり付くような湿った声が梨華の耳に届く。男は
ナイフを部屋の遠くに投げると、服を着たままいきなり
梨華の乳房に食らい付いた。

「イヤダ!やめて下さい!!イヤッ!!!」

梨華の悲しい叫び声が虚しく室内にこだまする。手足を
じたばたさせながら必死の抵抗を見せていたが、男の豪
腕の前に次第になす術を無くし掛けていた。

「ハァハァ…」
「イヤ…、イヤ…、イヤ…」

男の獰猛な唇が梨華の全身を舐め尽す。強引に脱がされ
たパンツがソファーの横に置き去りにされる。梨華は脚
をバタつかせ男の行動を邪魔するが、いとも簡単にあっ
けなくその行為は覆される。

男の手が梨華のパンティ-に伸びる。嫌がる梨華の動きを
無視するかのように、男はそのパンティーを一気に破り捨
てた。

露になった梨華の秘部を眺めては独りニヤツク男の顔が
眼に入る。思わず梨華は顔を背けると、思い切り両足で
男の身体を蹴り続ける。しかし男は意に介さない表情で
バタついている脚を強引に腕力で捻じ伏せると、いきな
り梨華の可愛らしい陰部に顔を埋めた。

135 :第3章 本編:01/10/21 04:20 ID:xF5DFpkS

「イヤ!!!ヤメテ!!!」

梨華の絶叫が室内に空しく響く。男は自身の欲望を剥き出
しにして、身体ごと梨華に乗りかかる。そして自らの衣服
を乱暴に脱ぎ捨てあっという間に白のブリーフ1枚の姿に
なった。

男は厭らしい笑みを浮かべながら、顔を背け嫌がる梨華の
手を力付くで自身のブリーフの上に誘導すると、自分の手
を梨華の手に重ねた。そして早くも屹立している肉棒の上
で上下に擦る。梨華の掌は、嫌悪しか感じられない感触に
蝕まられ始めていた。

「ハァハァ…。ホラ、もっと速く動かして、もっとだ、もっと…」
「イヤ…」

梨華の掌にねっとりとした感触が伝わる。堪らず手を退け
様と思うが、男の腕力がそれを拒む。興奮の度合いを増し
てきた男は、いきなり自分でブリーフをズリ下ろすと、そ
のものに直接梨華の手を宛がった。

「ホラ、もっとだ!ちゃんと掴んで!上下に扱け!」
「もう、イヤ…」

梨華の涙だらけの顔が歪む。男は苦痛に歪む梨華の顔を
そそり立つ自らの肉棒の前に強引に寄せる。そして声を
荒げながら、男は梨華に更なる服従を迫った。


<続>

136 :第3章 本編:01/10/22 04:51 ID:d/1U/PrQ

「咥えろ!早く!いいから、咥えろ、しゃぶれよ!!」
「イヤです。絶対にイヤ…」
「ホラ、ここまで来て何言うんだ!」
「イヤ・・・、イヤ・・・、イヤ・・・」

男は嫌がる梨華の口に指を突っ込みこじ開けると、その
勢いのままにキラついたペニスを梨華の咥内に差し込ん
だ。そして美しい茶色に染まっている梨華の髪の毛を掴
み、激しく顔ごと前後に動かす。梨華の咥内には、脂ぎ
った醜い塊が小躍りしていた。

「ホラ、舌を動かすんだ!音を立てて吸って!!」
「ウウウッ…」

梨華の悲しげな嗚咽が漏れる。仁王立ちの男の股間を自
身の意思とは関係なく咥え、扱いている。嫌がり拒絶し、
顔を離す度に、男の平手が梨華の頬に飛ぶ。

梨華は薄れ良く意識の中で、この男に屈服せざるを得な
い事実を感じていた。

137 :第3章 本編:01/10/22 04:54 ID:d/1U/PrQ

「もっと広げて。そうじゃない、もっとだ…」
「・・・」
「もっとだよ、梨華ちゃん。もっとだ…」
「・・・」

20畳はあろうかというダークブラウンに統一されたフ
ローリングを施されたリビングの中央。薄明かりの間接
照明に照らされ一糸纏わぬ姿の梨華が、全裸で自身の肉
棒を扱いている男の前で、すらりと伸びた両足を開いて
いた。

男は露になった梨華の陰部を見届けると、狂喜の表情を
浮かべながら一層の早さで自身の肉棒を扱いている。

「よし、いいぞ!梨華!アウアウ…」
「…」

男の間抜けな喘ぎ声が梨華の耳にこびりつく。諦めの表
情を浮かべた梨華の瞳には、最早流れ出る涙すら枯れ果
ててしまった様だった。

男はブツブツとなにやらしゃべりながら、肉棒を扱きな
がら、梨華の曝け出された陰部に食らいついた。既に梨
華は、無抵抗に男の愛撫を受け入れていた。

その顔からは表情は消え、まるでマネキン人形の様な顔
付きで男の唇に犯されていた。

138 :第3章 本編:01/10/22 04:58 ID:d/1U/PrQ

梨華の頬には、先程までの暴力の嵐の残骸が痛々しく刻
まれている。しかし右の胸の上に残された傷はもっと生
々しかった。

先程の事だった。無理矢理に男のペニスを咥内で扱いて
いた時、思い余ってその肉棒に歯を立てた際、怒り狂っ
た男がその前に遠くに投げた果物ナイフをもう一度拾っ
てきて、何の抵抗もなく梨華の身体に刃を走らせた、そ
の痕が…。そうクッキリと残っていた。

「梨華、梨華、梨華…。俺のモノになれ、俺のモノに…」
「…」

男はまるで呪文を唱えるように、梨華の名前を呟きなが
ら、股間を弄り続けていた。梨華は丸太の様に男の衝動
には無関心を決めていた。梨華の生気を失った眼は、頭
高く天井にぶら下がる高級そうなシャンデリアを焦点な
く眺めていた。

いつの間にか男は梨華の陰部にペニスを差しこみ、一人
悦に入りながら腰を振り続けている。欲望の欲するまま、
梨華の身体をくまなく貪り続ける。

男は梨華の気持ちなど微塵も感じ取らずに、ただただ肉
欲の塊をいち早く放出せんが為にペニスを差しこみ、激
しく突いていた。

139 :第3章 本編:01/10/22 05:00 ID:d/1U/PrQ

「アッ…、イクゾ!アウアウアウ…、今日は顔で許して
やるよ!!」
「…」

男は四つん這いになって犯されている梨華に向けて叫ん
でいた。梨華は、力なく両手をだらりと床の上に投げ出
し、男の果てしない性欲の捌け口にその身を委ねている。

喘ぎ声もなく、拒絶する言葉もなく、終始無言で男の陰
茎を受け入れている。男は勝手に自ら果てると、梨華の
膣から肉棒を差し抜き、梨華の顔付近にその醜い棒を近
づける。

そしていともた易く片手で梨華の髪の毛を引っ張るとそ
の生気のない顔を自身のほうへ向けさせた。

「ホラホラ咥えろよ!、扱けよ!」
「…」

梨華は眼前にそそり立つペニスがあるというのに全く無
反応に座り尽していた。男はそうした梨華の態度に業を
煮やすと、無理矢理に梨華の口を手で開けるとその肉棒
を差し込む。

そして自分自身で激しく腰を振りながら、梨華の咥内で
肉棒が極限まで膨張するのを感じていた。感極まった男
は、梨華の頭を押さえ込み、激しくその頭を前後に動かす。

しかし梨華の舌は、男のペニスに絡みつく事を頑なに拒
絶していた。それながら男は耐え切れない欲望の果て、
梨華の咥内からペニスを引き抜くと、梨華の顔目掛けて、
一気にスペルマを放出した。

140 :第3章 本編:01/10/22 05:03 ID:d/1U/PrQ

「アアアアッ!出る!出るぞ!」
「…」

男は自身の放出を終えると呆けたようにその場にしゃが
み込んだ。そして未だニョロニョロと亀頭の先から出て
くるスペルマを見て、座り込む梨華の胸に押し当て、そ
の乳房で扱くように命じた。

「梨華、最後まで出させろ。ホラ、手で胸を集めろよ…」
「…」

相変わらず梨華は男の要求に対して、全く反応をしなか
った。男は呆れたように一度天井を見上げると、肉棒を
無理矢理梨華の口に入れて、処理を済ませた。

「どうだ、おいしいだろ。飲み込んじゃえよ」
「…」

梨華はイキナリ、男の足元を目掛けスペルマ塗れの唾を
吐き捨てた。その様子を見た男は、冷たい笑いを浮かべ
ながら、しゃがみ込む。そして獰猛に梨華の口を貪るよ
うなキスをした。

「お前は見込んだとおりだな。気が強くて、俺好みだ」
「…」

男は立ち上がると、一人キッチンのほうへ歩き出す。梨
華はただぼんやりと前面に広がる大きな窓越しに見える
熱気で蒸しかえる夜の東京の街並みを眺めていた。その
時だ。暗闇の中から連続した無機質な機械音が聞こえて
きた。

「今日の記念に。二人の記念に。記念写真だよ…」
「…」

梨華は男に向け冷徹な眼差しをおくる。スペルマ塗れの
梨華の顔をポラロイドカメラで撮っている男の眼に、梨
華の凍える顔が飛び込んでくる。男は一瞬、ややその気
配に押されたが、何かにとりつかれたかのようにシャッ
ターを押し続けていた。

うだる様に暑苦しい都会の夜。外気の熱気に逆らうように、
凍えた眼をした一人の少女が佇んでいる。少女は瞬間的に
光り続ける閃光の波の中、静かのその美しい瞳を閉じた。



<第3章 本編 了>

141 :JM:01/10/22 05:06 ID:d/1U/PrQ

<凍える太陽 INDEX >

 序章・・・>>11-16
第1章・・・>>21-46
第2章・・・>>49-82
第3章 序編・・・>>84-101
第3章 本編・・・>>104-140

142 :JM:01/10/23 05:24 ID:unndecaG
更新2日後の予定

143 :第4章:01/10/24 04:47 ID:Kbq0VACl


第4章

もう、ここで終わりなんだ。そう、無邪気なままでいられるのは、ここまでなんだ・・・

−ドン・ヘンリー −



「左を出せと言っているだろう、出さないから打たれるんだ。
そんな簡単な事も分からないかっ!」
「ハイッ!」
「だから出せよ!返事はいいから。そう、そうだ。パンチ
出さなきゃ相手は倒れないぞ!」
「ハイッ!」

すっかりと薄汚れた木製のプレハブ全体が軋む。ヘッド
ギアをつけた青年の繰り出す活きのいいパンチが、少し
贅肉をついた男の横腹を捉える。

ガードを着けているとは言え、男の顔がその重さに一瞬
だけ歪む。するとダラシナク垂れ下がったロープに寄り
かかって戦況を見つめていた長身の男性の声が飛んだ。

144 :第4章:01/10/24 04:49 ID:Kbq0VACl

「なんだ、なんだ、効いてるぞ。そんな口ばっかりのヤツ
倒しちゃえ!ボディに打ち込め!右に回り込んで、そう、そうだ!!」

青年は男性の声につられる様にステップを刻みながら左に
回り込むと、ショートレンジながら角度のある鋭いアッパ
ーブローをスパーリングパートナーの脇腹に放つ。ヘッド
ギア越しに見える男の顔が苦悶に歪む。その瞬間、再び男
性の声が青年に向け飛んだ。

「ガードが下がったぞ!右だ!」

男性の声を聞き終えるまでもなく、青年の右ストレート
が男の顔面を捉えた。ヘッドギアが歪むほどの強烈なパ
ンチに男は思わず膝から崩れ落ちた。その時、タイムを
告げるゴングが鳴り響く。戦い終えた男たちの吐く息の
音だけが、リング上に漂っていた。

そこではゴング音と同時にリング上に大の字になった男
の呟きのみが辛うじて聞こえて来るだけだった。

145 :第4章:01/10/24 04:51 ID:Kbq0VACl

「お前…余計なアドバイスするな…」
「なんだか偉そうな事言っているからだよ、しかしナイスパンチだ!」

男性はリング下に引き下がってきた青年の肩をポンと叩
いた。青年は会釈をすると、マウスピースを外し、再び
深くお辞儀をした。

「アリガトウございます」
「いやいや、こちらこそ。でも、仕上がりいいね!今度新人戦
なんだろ?頑張れよ」
「ハイ、アリガトウございます」

青年はヘッドギアを外し、タオルを頭から掛けるとその
まま奥のシャワールームに向かっていった。男性はコー
ナーサイドに置いてあったミネラルウォーターを手にと
ると、寝転ぶ男の近くに歩み寄った。

「ホラ、飲めよ、朝倉」
「ハァハァ・・・。サンキューだ。」

男はヘッドギアを投げ捨て、グローブを無造作に解くと、
ばらついたバンテージをつけたままそのミネラルウォー
ターをグイグイと一気に飲み干した。


<続>

146 :第4章:01/10/25 01:46 ID:+lOPgXsr

「いや、あいつのパンチは効くわ。今度はお前に頼むよ」
「勘弁してくれ。無理だよ、俺なんかには」

「まぁそれはそうだ。指の骨折れるからってボクシング
辞めた人間には務まらないよ」
「それは仕方ないだろう。だいたいピアノ弾きがボクシング
やっていたというのが、どだい最初から間違ってるんだから。」

「そりゃあ、そうだ。確かにそうだ」

男の乾いた笑い声が彼の耳に心地よく届いた。男は立ち上
がると、ロープに掛かっていたタオルを手にして頭から覆
い被せるとリングの片隅に座りなおした。

すると今までの口調とはやや趣を変え、敢えて彼の顔を見
ずに話し掛けた。

「それよりお前…、今まで何処に行ってた?心配したんだぞ」
「…済まなかった。いろいろと思うところがあってね」

「まぁ、思う所があるのは良く分かるけど、それにしたって
急に消えるやつがあるか。」
「悪かった。連絡しようとは思っていたんだが、考える事もあってね」

彼はコーナーサイドにある錆付いた丸椅子に腰掛けると、
やや目を落としながら物思いに耽るような感じで話を続
けた。

147 :第4章:01/10/25 01:50 ID:+lOPgXsr

「人生は、なかなか思うように任せないな」
「そんな事、今になって分かり切った話でもないだろうが。
とにかく心配掛けんなよ…何せお前、例のヤクザのトコに
乗り込んで以来、姿消してさ。普通、何かあったと思うの
が人情だろ。しかもあんな話聞いたあとだけに」

「もういいんだ、その事は。俺も大人気なかった。」
「それで…大丈夫だったのか?よからぬ噂話も随分聞いた
んだが…」

「どんな話だか知らないが、こうしているんだから大丈夫
だったよ。」

男は奥底に残ったミネラルウォーターを名残惜しそうに
飲み切ると、空になったペットボトルを部屋の片隅にあ
るゴミ箱に投げ捨てた。

カラン、カランという虚しい音をたてて床の上に転がる。
その様子を眺めながら、男は言葉を繋いだ。

「それで…これからどうするんだ?今まで通りここで働いて
もらっても構わないよ。というか、手伝ってくれよ。健一も
新人戦が近いし、練習生も増えてきたしさ。俺とおやっさん
だけじゃ、体が持たないさ」
「…そういえば、おやっさんは?」

「赤坂にある川添さんのトコまで出稽古だよ。あそこなら
最新設備も整っているし…」
「そうか…。朝倉、お前やおやっさんには悪いんだが今、
俺は仕事をやっているんだ」

「仕事?やっぱりピアノ教室に戻ったのか?淺川もそんな
事言っていたが…」
「いや、あれはそうじゃないよ。単なるお遊びと言うか、
留守番程度のもんだ。ちょっと折りいっていてね」

「何だよ、それって俺にも言えない様な事なのかよ」
「そういうんじゃないんだが・・・まぁ、察してくれ」
「何を察するんだか・・・まぁいいよ。とにかく無事でいてさ。
よかったよ」

148 :第4章:01/10/25 01:52 ID:+lOPgXsr

朝倉は洗濯のし過ぎで色褪せて元が何色だか分からなく
なってしまった大きなバスタオルを頭から被ると、リン
グから降りる。

そして古びた長椅子に腰掛けるとテーブルの上に無造作
に置かれたクシャクシャになった新聞紙を手にとった。
彼も後を追う様にリングから降りると、部屋の片隅に置
かれた錆び付いたパイプ椅子を持ってきてそこに腰掛けた。

朝倉はバスタオルで頭を拭きながら、漫然と新聞紙を眺
めていた。

「まぁお前の方も元気でよかったよ。」
「まぁな。仕事とは言え毎日ボコボコ若い奴等に殴られて
いるけどな・・・。それにしてもなんとまぁ、物騒な時勢だよな」

「物騒ネ・・・何があったのか?」
「ン?ああこの記事だよ・・・いやね、暴力団の抗争だってよ。
頭をズドンと一発。白昼の喫茶店でさ、拳銃で撃ち抜かれたって。
まるで映画みたいだよ」

「そうねぇ。まぁでもよくある話じゃないか。それにあんまり
このジムには関係ない話だろ」
「ところがさ、先々月からずっと空いていた斜め前のテナ
ント、あそこにヤクザの事務所が入ったんだよ。大丈夫かなぁ、
こんな下町の商店街でドンパチでも始まったらかなわないよ。
勘弁してもらいたいなぁ」

「そうなのか・・・どこの系列の組なの?」
「さぁここいら辺だから、住吉じゃないの。良く知らないけど
・・・それよりもお前、今日はこれからどうする?その仕事が
あるんか?」

「ウン?まぁそう言う事だな」

149 :第4章:01/10/25 01:56 ID:+lOPgXsr

彼は立ち上がると背伸びをしながら部屋の中を所作なく
歩き始めた。天井からぶら下がっている古ぼけたサンド
バッグを力なく叩きながら、うろついている。

朝倉は新聞紙をテーブルの上に置くと、彼に向けて言葉
を投げた。

「・・・お前、もう大丈夫か?忘れられたか?」
「・・・」

「そう簡単に忘れろとは言わないが、アンマリ詮索しても・・・」
「分かっているよ。時計の針は元には戻らないさ。
それ位わかっているよ」

「それならいいが・・・」
「お前らには心配かけたな。もう大丈夫だ」

彼は笑みを浮かべながら部屋の奥にある冷蔵庫から余り
冷えていないミネラルウォーターを取り出すと朝倉に向
け投げた。

驚きながらも朝倉はそれを受け取ると手を上げてそれに
応える。

「ホントに・・・大丈夫だな」
「お前もシツコイナ。安心しろ」

彼は朝倉に聞こえない様に一つ溜め息をついた。そして
ウインドウ越しに見える街行く人の流れを焦点なく眺め
ていた。妙に湿った風が部屋の中を吹き抜ける。気だる
い熱気に包まれた昼間の空気を引きずったまま、漆黒の
夜が来ようとしていた。


<続>

150 :第4章:01/10/26 04:23 ID:swHy1GZC

「ごっちん・・・ちょっといい?」
「なぁ〜にぃ〜、梨華ちゃん」

いつものように深夜にまで渡ったTV番組の収録も終わり、
メンバーのそれぞれが帰路に着く中、梨華はスタジオの入
り口で半身を傾けながら、前室の片隅でひとみと楽しげに
話している真希に声をかけた。

「おっ、梨華ちゃん、今日の私服、白なんだぁ・・・珍しいねぇ〜」
「そうなんだよぉ。最近の梨華ちゃん、ピンクあんまり着ないんだよね」
「ウン・・・」
「似合ってるよぉ〜、可愛いよぉ〜」

ひとみと真希は、珍しく白いワンピースを着ている梨華
の服装にチャチャを入れた。梨華は恥ずかしそうに笑い
ながらも、手招きをして真希を呼び寄せた。

151 :第4章:01/10/26 04:26 ID:swHy1GZC

「ごっちん、ちょっといい?」
「何だよぉ〜梨華ちゃん、わたしは仲間はずれぇ〜?」
「よっすぃ〜違うの。ちょっとお仕事の事なの、ディレ
クターさんが呼んでるの」
「なぁ〜にぃ〜。めんどうくさいなぁ〜。タクシー着ちゃうよぉ」

真希はやや不服そうながら梨華の元に近寄った。そして
言われるがままに、梨華の待つスタジオへ足早に向かっ
た。

しかしスタジオの中には誰もいない。真希は首を傾けな
がら辺りを見回した。すると大きな照明機器が無造作に
置かれているその片隅で、梨華がぽつんと立っていた。

「なによ梨華チャン。誰もいないじゃない」
「ウン。実はね、私なの、話があるは・・・」
「・・・ふ〜ん、で、何の用なの?」

梨華は、もじもじとしてナカナカ言葉を言い出せなかった。
すると真希は梨華の傍らに近づき、眼を見つめながら言葉
を即した。

152 :第4章:01/10/26 04:31 ID:swHy1GZC

「なぁ〜にぃ〜、梨華ちゃん。どうしたの?」
「ウン・・・。ごっちん、この間の背の高い男の人って・・・
どんな人なのかな。会社の人なのかな?」
「え?・・・あぁ、あの人?そうね、そうみたいな、そう
じゃないみたいな・・・」
「ごっちんもよく知らないの?」

「うん。自分の事、よく喋らない人だし。一応雇われている
みたいなんだけど・・・。でもさぁ、名前だってわからないしぃ」
「あの人って、普段は、どんな事してるのかなぁ?」
「送り迎えの運転とか、今私についてるマネージャーさんの
お手伝いとか・・・。そんなトコかな。」
「そうなんだぁ・・・」

梨華は首を傾けて、モジモジと言葉を選んでいるようだ。
真希は、少し悪戯っぽい笑顔をみせて梨華の顔を覗き込
んだ。

「な〜にぃ、梨華ちゃん。あの人に興味あるのぉ?」
「違うよぉ〜。そうじゃないんだけど・・・」
「じゃあ、なあに?」
「・・・ウン。なんかね、あの人と、それから・・・あの男の人
・・・とね、知り合いみたいな気がしたから・・・」

「えっ、それホントなのぉ?」
「ウン・・・。あの時そんな感じがしたんだけど・・・」

真希は、やや意外そうな顔付きで思案を投げていた。

(あの人がアイツと知り合い・・・それってどういう事なのかな・・・)

真希が思いを巡らせている中、梨華は俯きながら話の先
を続けた。

153 :第4章:01/10/26 04:32 ID:swHy1GZC



<続>

154 :名無し募集中。。。:01/10/27 10:09 ID:QnmO/ADe
保全sage

…まぁモーコー板じゃないんで大丈夫だと思うけど念のため
ついでにいつも更新楽しみに待ってるよん

スレ汚しすんまそん

155 :第4章:01/10/28 03:08 ID:BFlkiefQ

「それでね。・・・ちょっとごっちんにお願いがあるんだけど・・・」
「・・・ん?なぁにぃ?」

真希は考えを一時止め、梨華の顔を見つめ直して言葉を
繋げた。

「梨華ちゃん、まだあの男となんか関係あるの?」
「ウウン、そんなことないよぉ。」

梨華はあからさまに言葉を濁した。もちろん真希には、
そこにある「何か」を感じ取るのは容易だった。真希
は、とっさに梨華の手を握りしめるとその悲しげな顔
を凝視した。

「梨華ちゃん、お願いって何?」
「えっ・・・ウン。ごっちんね、あの人に会わせてくれないかな?」
「どうして?」
「あの人に頼みたい事があるの・・・」
「梨華ちゃん・・・もしかして・・・」
「・・・そうなの。ごっちん、思い切って言うね・・・実はね、
私・・・、あの男の人にね・・・」

梨華はその美しい瞳に涙をため、少し嗚咽を漏らした。
梨華の悲しげな表情に心揺さ振られた真希は、思わず華
奢な梨華の体をぎゅっと抱きしめた。

156 :第4章:01/10/28 03:11 ID:BFlkiefQ

「もういいよぉ、梨華ちゃん・・・。何も言わないでいいから・・・」
「ごっちん・・・誰にも言わないでね・・・」
「当たり前だよぉ」
「・・・アリガトネ」

普段は見せない真希の優しさに梨華は浸っていた。そして
最近感じていなかった、安らかな気持ちがその心を覆って
いた。

「頼んでみるね。・・・梨華ちゃん頑張ってね。あの人いい人
だから心配しないで話してみても大丈夫だよ」
「うん。実はね、この間、レコーディングの帰りに
ちょっとだけ話したの。」

梨華は恥ずかしそうに話し続けた。真希は笑顔で聞き返
した。

「ホントぉ?それでどうだったの?」
「うん。最初は話し掛け辛かったんだけど・・・でも思って
いた以上に優しくて、少し安心したんだぁ」
「でしょ?だから大丈夫だよ。きっと梨華ちゃんの話、
聞いてくれるから。私からも言っておくからね」
「ウン。アリガトウ。ごっちん、お願いね」

誰もいないスタジオ、薄暗闇の中、二人は抱き合いなが
ら互いの傷を慰め合っていた。その二人の様子を入り口
の大きなドアに隠れて見つめるひとみの姿があるのに二
人は気付いていなかった。

(・・・二人で何を話しているのかな?)

ひとみの眼には慰め合う梨華と真希の姿を捉えていた。今
まで見た事のない二人の様子を見ながら、ひとみの心の奥
底で「何か」が少しだけ揺れ動いた。

言葉で表現できないその「何か」がひとみの心を掻き毟る。
ひとみは、ふっと溜息をつくと、先程までいた前室の長椅
子に腰掛けた。

(何だろう・・・、これって何だろう・・・)

ひとみは、自分でも得体の知れない奇妙な気持ちを小さな
胸に抱えたまま、スタジオの隅で一人静かに竦んでいた。



<続>

157 :第4章:01/10/29 01:37 ID:wGTn99n6

そこは高層のビルディングが林立する一角とはいえ、そ
のビルディングだけは、余りの大きさ故に威圧感さえ漂
わさせて、周りの全ての建物を威嚇しているようであっ
た。

何の季節感も感じさせない装飾が施された中庭を抜け、
厳つい門構えの玄関を通り、幾度かのセキュリティー
チェックを潜り抜けると、中一階に広がる吹き抜けの
ホールに出た。

無機質なコンクリートで覆われた大きな支柱をやり過
ごすと、その奥に数台のエレベーターが待っていた。

ただ一番右端のエレベーターは、他の基とは違い、2
0階までノンストップで上がることが出来るのが大き
な特徴だ。他のエレベーターが止まることさえ許され
ない21階から25階まで階段を使わずに昇るには、
そのエレベータに乗るしか手段はなかった。

158 :第4章:01/10/29 01:40 ID:wGTn99n6

そのエレベーターを利用できる人間の数は、言うまでも
なく少ない。更に通常の通行パスと同時に、特製のIC
カードがなければ、乗る事すら出来なかった。

しかしだからと言って、そこの空間一帯が特別に豪華に
飾られているわけではない。逆に何の装飾もなくただ
白く塗られただけの吹き抜けに飾られた支柱同様、無機
質なコンクリートに覆われ、むしろ窓が極端に少ないせ
いか息苦しささえ覚える様なところであった。

特に22階は更に他の階に比しても狭苦しい箱部屋の様
な区切りをされた空間が所狭しと居並んでいる。

そうした部屋が並立している廊下を通り抜けると、やや
広めの空間に踊り出るが、かといってそこに窓がある訳
でもなく、その密閉間が解消されたわけでもなかった。

人影もまばらな静かな回廊。空間の奥には、更にその先
に通じる少し広めの廊下がある。その最奥にある小部屋
は、珍しく窓のある"人間らしい時間"を過ごせる場所で
あった。

159 :第4章:01/10/29 01:45 ID:wGTn99n6

その空間は、他の部屋と違い壁は完全な白ではなく、やや
つや消しと思われる色で塗られ、重厚なデスクの横には、
少し小さめの観葉植物が居並んでいる。

そしてホワイトボードの横には大きな出窓が据え付けられ、
夜の街を展望する事が出来た。遠くに見える東京タワーの
明かりが、今日に限っては鮮明に見える。未だ窓の外は、
近づきつつある台風のせいか異様な蒸し暑さを漂わせてい
る。深い時間だというのに未だ熱気は冷めず、本格的な夏
の到来を前にして、既に数え切れない位になった熱帯夜を
迎えていた。

デスクの椅子には、およそこの建物には似つかわない様な
精悍な顔つきをした若い男が座っている。その男に対峙す
る様に、部屋の真ん中にある黒色の硬めのソファーでは、
やや白髪交じりの中年男性が煙草を燻らせ、膨大な量にな
る書類を今、正に、読み終えようとしているところだった。


<続>

160 :第4章:01/10/31 03:06 ID:OlIlUCim

「高森君、ご苦労だった。預からせてもらうよ」
「何か、飲みますか」
「ウン?いや、構わないでくれ」

中年男性は読み終えた書類をテーブルに置くと、短くな
った煙草を灰皿に押し付けた。男は、小さく息を吐くと
徐に立ち上がり窓際に近づいた。

遠くに見える東京タワーの灯かりをぼんやりと眺めなが
ら、物思いに耽るかのようにめを薄くしていた。

「実は高森君、折り入って話があるんだが・・・」
「・・・何か報告書に不備がありましたか」
「いや、そうじゃない。完璧だよ、書類は。・・・まぁ君に
見て貰いたい物があるんだ」

そういうと男は、ソファーの片隅に置かれていた黒革の
カバンを手に取ると、その中から数枚の書類が入ったフ
ァイルを取り出すと高森のデスクに置いた。

161 :第4章:01/10/31 03:07 ID:OlIlUCim

「これはなんでしょう?」
「読んでもらえるかな」

高森は訝しそうにその書類を手にとると、バインダーに
挟まれたそれをパラパラと捲って見た。乱雑な文字が踊
るその書類に書かれた文字列を漫然と眺めていた。

男は高森が読み終えるのを待ちながら、胸ポケットから
ショートホープを取り出すと火を灯すと煙を燻らせてい
た。

時が過ぎていく。

高森は読み終えた書類を何度か読み返すと、ふっと溜め
息をついた。少しばらけた書類をトントンとテーブルで
馴らすと、綺麗に整え、デスクの中央に置いた。

162 :第4章:01/10/31 03:09 ID:OlIlUCim

「部長、これを・・・信じるんですか?」
「・・・どう思う。君の意見を聞きたいね」

「確かに単なる告発文にしては、看過出来ない気もしま
すが、しかし余りに抽象的な感じもしますしね。しかし、
部長には、これを信じるに足りる何かが他にあるんでし
ょうか?」
「フフフッ、さすが君だ。見込んだ通りだな。鋭いね」

男は煙草を加えながら、ソファーに腰掛けて再びカバン
を取り出した。そして一枚の写真を取り出すと、高森に
投げ出した。

「これは?」
「これが、その張本人だ」

白黒の写真には、海上で撮られたらしく、豪華なクルー
ザーらしい甲板の上で大きな魚を持ち上げて笑い合って
いるサングラスを掛けた数名の男が映し出されていた。

163 :第4章:01/10/31 03:13 ID:OlIlUCim

「その右端の短髪の男、それがその主役の男だよ」
「・・・警官とは思えない風貌ですね。まぁ周りの男達も
ナカナカの風体ですが」

「そりゃあ、そうだよ。左端の男はこの間、新宿のホテルで
頭撃ち抜かれたヤツだからな」
「この男がそうですか・・・。で、この写真は一体?」

「今日の午後、送られてきた。まぁ同じヤツだろう」

高森は写真を書類の上に置くと、もう一度、紙の角々を
合わせる為に、テーブル上でトントンと叩き馴らし、再
びデスク中央に置きなおした。

「それで・・・私に何の用でしょうか?」
「決着を付けてもらいたい。事が大きくなる前にね」
「決着・・・ですか?」
「そうだ」

男は再び立ち上がると窓際に再び近寄った。窓ガラスに
寄りかかりながら、短くなった煙草をポケットから取り
出した携帯灰皿にしまい込む。そして静かに話し出した。


<続>

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