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絶対無敵メロン記念日

1 :マングース西浦:01/09/20 07:21 ID:Mhj9Hd3c
久しぶりに

2 :名無しさん:01/09/20 07:33 ID:6QMGhQmo
\(^▽^)/新スレおめでとうございまーす♪

3 :マングース西浦:01/09/20 20:18 ID:O1/x3fKc
第1話『光の戦士』

「祐ちゃん、集まったよ」
「……」
「どうしたの?祐ちゃ…いたっ!」
「みんなが見てる時は違うでしょ」
「あ、そうかごめん…集まりました、中澤様」

「うむ…」

呼ばれたその女は両脇に備え付けられた手すりに手を掛けることもなく
滑らかな動作で玉座から腰を上げた。
歳の頃は30近くにも20過ぎにも見える。
そしてその両脇には先程ひねられた腰のあたりをさする小柄な女と
比較して長身の女が肩を並べていた。

「刻は満ちたり」

集結した部下の前でその女はゆっくりと拳を掲げて言った。

4 :マングース西浦:01/09/20 20:20 ID:O1/x3fKc
―― 都内某所
「モーニング娘。を!?」
そんな四重奏の声が不意に響いた。
「壊滅させてほしいって…?」
「そうだ」
偉そうなおっさんが肯く。
「で…でも私達って、モーニング娘。の妹分なんでしょう?」

テーブルをはさみおっさんと対面するように腰を掛けた四人の内一人がようやく
そう質問出来たのはしばしの沈黙の後だった。
斉藤瞳、モーニング娘。の妹分として選ばれたメンバーの一人である。
この日は四人の初顔合わせの日でもあった。

「だから、諸君に頼むのだ。『ただ者では無い』君達だからこそ」
「で、でもモーニング娘。さんが世界を征服しようとしているなんてそんな目茶苦茶な…」
メンバーの一人大谷雅恵である。
「確かに途方も無い話だな」
モーニング娘。が数々のミリオンセラーを飛ばし、
今や全国区になった支持者達を足がかりに議会を征服するという
途方も無い計画を立てているという…
その支持者は既に政財界にも多く、もし成功してしまえば日本の未来はWow×3になってしまう…
しかも問題ではそれだけではないらしい。

5 :マングース西浦:01/09/20 20:21 ID:O1/x3fKc
「それだけは、困ります」

4人の中ではじめて自分の意見を言ったのは4人の中で最年少の柴田あゆみだった。

「日本の未来がWow×3だなんて…考えただけで寒気がする」
「そんなことになったら日本がグローバルスタンハンセンから置いて行かれますよ」
柴田は他のメンバーに先駆けて事態を理解し始めていた。

「ところで、めぐちゃんはどうなの?さっきから黙りこくって、らしくないよ」
大谷がそう呼びかけたのは何かを考えるように黙り込んでいた
最年長の村田めぐみ、リーダー候補だった。

「あれ、大谷さんと村田さんって初対面じゃなかったの?」
斉藤が訊ねる。
「え?初対面だよ。なんで?」
「いや、『らしくないよ』とか言ってたからさ」
「変かな?」
「え?いや…何て言うか…さっきのグローバルスタンハンセンもなんか変だし…」

「そんなことはどうでもいい、今は村田君の意見を聞こう」
おっさんがうながし、斉藤はあきらめて村田の方に視線を移した。
大谷と柴田はとっくに村田の方を向いていたが、
その村田は考え込むようなポーズを崩していなかった。

6 :マングース西浦:01/09/20 20:22 ID:O1/x3fKc
(しまった…寝てた)
たった今目覚めたばかりの村田は昨晩バイオハザードで夜を明かしてしまい
一睡もしていなかった。
しかしそんなことは言えるはずも無い。
初顔合わせの場で村田が居眠りをしていたのは厳然とした事実なのである。
村田は第一声をどうしようか必死で脳を働かせていた。
(これが授業中だったら教科書の適当なところを読んでごまかすところなのに)
そこで村田は神の救いの手に近い斉藤の声を聞いた。
「大丈夫?村田さん顔色悪いけど」
すると村田はあくまで自然に立ち上がり
「気分が悪いんでちょっと失礼します」
そう言ってそのまま部屋を出ていった。

「村田さん大丈夫なのかな?」
「めぐちゃんのことだから多分トイレにでも行ったんじゃない?」
『いつものことだ』とでも言わんばかりの大谷。
「だから初対面なのに『〜のことだから』とかって…」
この頃すでにモーニング娘。結社は大きな動きを見せ始めていたのである。

7 :マングース西浦:01/09/20 20:23 ID:O1/x3fKc
次回予告

未だ四人の絆も固まらないなか
ついに本格的に始動し始めるモーニング娘。結社の「モーたいへんでした計画」
はたして光の戦士達は日本の未来を守ることが出来るのか
四人に武骨な機械(マシーン)を手にした白き小悪魔が迫る
次回『必殺!チェーンソーアタック』

8 :マングース西浦:01/09/20 20:35 ID:O1/x3fKc
全9話

9 :名梨の種:01/09/20 20:59 ID:Q3I2rkzs
久し振り、期待age >マングース西浦

10 :名無しさん:01/09/20 21:04 ID:J7yqJzns
ラ、ライジ○オーっすか!?>絶対無敵
もしそうだったら懐かしすぎ。。。思い過ごしだな。

11 :マングース西浦:01/09/21 22:18 ID:8NZ2/7mQ
第2話『必殺!チェーンソーアタック』
初対面が無事終わり、再び四人が顔を合わせたのはその翌日のことである。
「まだ諸君のグループ名が決まっていない。我々が考えてもいいが、
 グループ名は君たち自身にとっても大事なものだろう。諸君達で
 話し合って決めて欲しい」

「グループ名…ねぇ…」
斉藤瞳がそう言って他の3人の意見を促そうとする。
彼女には『均衡回路』が埋め込まれ、四人の意見をまとめあげる役割を
担うことになっている。
「チェキッ娘。とかかわいくていいんじゃない?」
そう言ったのは柴田あゆみだった。
彼女には『良心回路』が埋め込まれている。
「あ、それいいかもね」
『爆裂回路』を埋め込まれた大谷雅恵が同意する。
「いや、でもそれパクリだからさ」
「でもちゃんと『。』ついてるんだよ」
「……ところで、めぐちゃんはどうなの?何かいい案無い?」
「あ、シカトされた」
しかし村田は初対面の時と同じように考え込むような姿勢を崩さない。

昨晩はバイオハザード2で明かしてしまった。
(オープニングは実写のほうが良かった)
プレイ中もそんなことに気持ちが取られてしまい、一度も警察署内まで辿り着けなかった。

12 :マングース西浦:01/09/21 22:19 ID:8NZ2/7mQ
斉藤の声で目を覚ました村田。
そこで大谷の横槍が入る。
「瞳ちゃんはどうなの?」
「私はやっぱカタカナと漢字が混ざってる感じがいいと思うんだよね」
「殿様キングスみたいにね」
なかなか意見がまとまらない内についに四人の元に始めての任務が舞い込んだ。

「モーニング娘。の安倍なつみと加護亜依が都内のパン屋に現われた。
早速諸君に任務を果たして欲しい」
「パン屋?一体その二人はそんなところで何を?」
「『リフォーム大作戦』だ」
「そ…そんな…」
柴田が体中の力を無くしたように崩れ落ちる。
柴田の体内に埋め込まれた『良心回路』は何よりも偽善を敏感に感じ取る。
「こんな偽善行為を許すわけにはいかない…めぐちゃん!瞳ちゃん!柴田!行くよ!」
大谷の頭は既に『マサオヘアー』にチェンジしている。
大谷雅恵のハイパーバージョンである。あっという間に現場へと辿り着きそうな勢いだが
実は足は遅い。
「場所分かってるの?」
「あ、そうか」
モーニング娘。がついに始動させた『モーたいへんでした計画』
これは全国規模の偽善プロジェクトであり、その模様は毎週のように全国に中継される…
モーニング娘。が日本乗っ取りへと本格的に踏み出したのである。
偽善は悪よりも憎むべき存在…
「許せない…」
四人の中でもとりわけ柴田の心は怒りで満たされていた。

13 :マングース西浦:01/09/21 22:20 ID:8NZ2/7mQ
――都内某所、パン屋
「あ〜ん、何回やっても真っ直ぐにならへ〜ん」
加護は電動のこぎりの扱いに悪戦苦闘していた。
「加護、そっちはスタッフさんに任せていいから一緒に飾りつけやろ」
「え?でもこっちやれって言われたんですけど」
「いいから、オンエアでは加護が自分でやったことになってるから」
「は〜い」
おとなしく安倍と一緒に適当に飾り付けを手伝う加護。
「はい、それでは加護さん電のこの撮影でーす」
呼ばれて再びのこぎりを持たされる加護。
その前には既に綺麗な木材と化した先程までただの木片だったものがあった。
「それじゃ加護さんセリフです『やっと終わった、手つかれた』お願いします」
「やっと終わった、手つかれたですね?分かりまし…」

「待てーー!!」

ついに悪行が行われようとした時、大谷雅恵の『爆裂回路』が文字通り爆裂した。

14 :マングース西浦:01/09/21 22:21 ID:8NZ2/7mQ
大谷の『爆裂回路』が持つ必殺奥義、『おおたニキータグレネイド』である。
その使用は一日に一度と限られてはいるが、その威力は絶大である。
一度に吹き飛ぶ『都内某所のパン屋』。オープンセットなのでもはやほぼ全壊の状態である。
「な…なんだべ?」
つい地元の方言を口にする安倍なつみ。周囲には瓦礫が広がっている。
彼女はモーニング娘。の左将軍である。
今回は怪人『加護亜依』を引き連れてリフォーム大作戦の実行を
大将軍から命じられていた。
「あ…安倍さん大丈夫ですか?」
上官の身を案じる加護の右手にはまだしっかりと電動のこぎりが握られている。

「雅恵ちゃん、暴力はい神崎だよ!」
「さすが柴田、咎める時も社会派だね」
柴田の良心回路は暴力を憎む。
しかし、大谷の爆裂回路は全くその逆に働くといっていい。
「でもさ柴田、私は暴力に立ち向かうために力を使いたいんだ」
大谷は柴田の制止をふりはらうと一直線に怪人加護亜依に向けて駆け出す。

15 :マングース西浦:01/09/21 22:22 ID:8NZ2/7mQ
「な…なんだべこの人達!?ス…スタッフさん助けて!」
次々と襲い掛かり大谷を止めようとする兵士(スタッフ)達。
「やらせるかっ…おおたニールキック!」
得意の蹴り技で次々と兵士をなぎ倒す大谷。
しかし一人では余りにも多勢に無勢だった。
ついに斉藤も加勢しようとする。
「瞳ちゃんも、暴力はダメダメボーイズだよ!」
「義を見てせざるは勇無きなり!」
「??」
柴田は斉藤の言った言葉の意味が分からずオロオロするばかりだった。
この時も村田は考え込むような姿勢を崩さない。

「警察呼ぶで!」

兵士(スタッフ)も全滅した頃ついに加護が動き出した。
その右手には小型の電動のこぎりが握られ、その刃は大谷と斉藤に向けられている
「チェーンソーとは加護ちゃんらしいや」
「だから初対面なのに…」
大谷の言葉に違和感を覚えた斉藤だったがそんなことは今はどうでもいいと考え直した。
「くっ…さすがに電動のこぎりには勝てない…」
斉藤と大谷は『死』を覚悟した。

16 :マングース西浦:01/09/21 22:33 ID:8NZ2/7mQ
「め…めぐちゃん、二人が死んじゃう!」
(!)
「私…どうしたらいいか分からないの」
柴田の必死の訴えにようやく目を覚ます村田。
「私に任せて」
村田はゆっくりと歩き出した
「むらターボ…」
村田の口が僅かに動いている。
「むらターボスマッシャードリル」
リーダー村田には『妖精回路』が埋め込まれているが、
その回路の全貌はほとんど明らかになっていない。
村田の右腕は既にドリル状にその形態を変えている。
『妖精回路』の持つ不思議な妖精パワーは結構色んなことを可能にするらしい。

一方加護はすでに大谷と斉藤を壁際にまで追いつめていた。
(も…もうだめだ…まだグループ名も決まって無かったのに…)
大谷と斉藤が死を覚悟した瞬間、思わぬ声が響いた。
「加護!!それを人に向けたら駄目って言われたでしょ!!下ろしなさい!」
「あ、安倍さん…は〜い…」
安倍の叱責に我に返った加護が電動のこぎりを持つ手を下げようとした、
まさにその瞬間だった。

「むらターボスマッシャードリル、めぐ乱れ突きーーー!!!」

17 :マングース西浦:01/09/21 22:35 ID:8NZ2/7mQ
村田の大技により加護の持つ電動のこぎりに無数の穴が空けられた。
ドカーン!
機関部に直撃を受けた電動のこぎりが加護の右手で大爆発を起こす。
爆風に巻き込まれた加護の小さな体はまるでゴム毬のように跳ね飛んだ。
このモーニング娘。の最年少メンバーには断末魔の声を上げる暇すら与えられなかった。
即死である。

「あぁっ!!し…死んでる」
慌てて駆け寄った安倍が加護の胸に耳を当てて言った。

「これに懲りたら悔い改めろ」
余りのショックに呆然としてうなだれる安倍に村田がそう言い捨てた。
「この豚は殺さなくていいの?」
「私達は肉屋じゃない」
「さすがリーダー、いつも寝てるように見えるけどちゃんと考えてるんだ」

柴田が村田のそばに駆け寄る。
「柴田、任務は完了し…」
バシッ…!
言い終えるかいなかのところで柴田の平手が村田の頬に飛んだ。
「し…柴田、なんてことをするの?」
「柴田らしくないよ!」

「…殺すことは…無かった…」

悲しみの表情を浮かべ三人のもとから走り去る柴田。
小さくなっていくその背中に誰も声をかけることは出来なかった。

18 :マングース西浦:01/09/21 22:36 ID:8NZ2/7mQ
次回予告

怪人のチェーンソーは四人の命を断つことは出来なかった
しかし、早くも絆を断たれた四人に未来はあるのか
一方のモーニング娘。結社にも衝撃が走り
復讐鬼と化した長身の右将軍の魔の手が四人のもとへと迫る
次回『拒否反応』

19 :マングース西浦:01/09/21 22:38 ID:8NZ2/7mQ
>>10
正解

20 :地獄のランドセル:01/09/21 22:42 ID:im.Db2TQ
リーダー素敵っす!小説は読んでないけどナー。

21 :名無しさん:01/09/21 22:50 ID:PxBd00Eo
正直、面白いかも知れん。

22 :マングース西浦:01/09/22 12:17 ID:OQbLLZrI
第3話『拒否反応』
「加護…あれだけ無理はするな言うたのに…」

「ゆ…祐ちゃん…そんな言い方って無いよ」
加護という最年少のメンバーを失ったモーニング娘。結社は悲しみに暮れていた。
「なんで加護みたいな素直でいい子がこんな死に方をしなきゃなんないの?」
錯乱する安倍に、しかし右将軍飯田圭織が厳しい表情を向ける。
「なっち、なっちは加護が死んだ責任を取らないとだめだよ。分かるよね…」
「…うん…分かってる。もう私引退する」

「!」

「駄目だよなっち!なんでなっちが止める必要があるの?なっちは悪くない
 悪いのは加護を殺した犯人のほうでしょ!?圭織、本当にそんなんでいいの?」
矢口真里、モーニング娘。結社の参謀長である。

「決めるのは圭織じゃない、祐ちゃんだよ」
そう言ったのは保田圭、モーニング娘。結社社長である。
しかしそれより早く飯田が一歩踏み出した。
「祐ちゃん、圭織になっちの汚名挽回をさせて」

「汚名を挽回すんの?」

「うん、それでなっちの失敗を許してあげて。世間の人がどう思うかは分からない。
 でも圭織が一生懸命頑張れば、きっとそれを認めてくれる人もいると思うんだ。
 加護が死んじゃったのは悲しいけど、私達は立ち止まれない。私達モーニング娘。は
 走り続けなければならないと思うの」

「…まあいいや、分かった。でも、ちゃんと作戦はあるんやろね?」
「大丈夫。任せといて」
そう言って飯田は安倍にウインクを送った。

23 :マングース西浦:01/09/22 12:19 ID:OQbLLZrI
――一方、都内某所ハロープロジェクト屯所
心の中にわだかまりはまだ残ってはいたものの、表面上はうまくいっているように見える
四人は既にグループ名を決定させていた。
『めぐたんと愉快な仲間たち』という比較的無難なものである。
「じゃあめぐちゃんも『めぐたんと愉快な仲間たち』略して『メロン記念日』でいいのね!?」
村田の頭がそのタイミングでカクンと下がったため、
その瞬間四人のグループ名は正式に決定した。
ついに適当な話題も無くなり四人(三人)の間に気まずい空気が流れようとした時
それを破ろうと斉藤が口を開く。
「こういう時はさぁ、バイクでぶっ飛ばしてスカッとしたいよね」
「…」
(あれ?)
斉藤に埋め込まれた『均衡回路』は話題の選択を誤った。
「私自転車しか乗れないし」
「私も」
再び場が静まり返ったところに、例の偉そうなおっさんが3人の部下を引き連れて
部屋を訪れた。

24 :マングース西浦:01/09/22 12:20 ID:OQbLLZrI
「諸君達の先輩に当たる人達だ。そう言えばまだ紹介が済んでいなかったのでな」
「キムラアヤカ19歳です」
「平家みちよ22歳です」
「稲葉貴子セブンティーンです」
「聞いての通り3人とも諸君らとは同年代だ。仲良くやってくれたまえ」

「…17歳…」
「何か?」
「い、いえ、別に何でも…」
明らかにおかしい点に気付いた柴田だったが、それを指摘する勇気は無かった。

次々とメロン記念日の4人と握手をかわす3人。
しかし、最後の村田の前で立ち止まる。
村田一人だけが椅子に腰をかけたまま、手を差し出すこともしない。
「どうした?具合でも悪いんか?」
怪訝な表情で稲葉が村田の肩に手を伸ばした瞬間、

「うわっ!ゾンビが!」

そう言って寝ぼけた目を見開いて立ち上がる村田。
ちょうど夢の中でバイオハザードのゾンビと死闘を繰り広げている最中だった。
「今…何て言った?」
「うわ、このゾンビめちゃくちゃキショい」
今度ははっきりと稲葉の顔を見てそう言った。
これも村田に埋め込まれた『妖精回路』の仕業だったのだろうか?
とにかく、この時から三人とメロン記念日の対立関係は始まった。
互いの上履きの中に画鋲を入れたり、互いに影口を言い合ったり、
はさみを手渡す時相手に刃の方を向けて渡すなど、
激しい戦いが繰り広げられることになった。

25 :マングース西浦:01/09/22 12:22 ID:OQbLLZrI
思わぬ展開があったのはその日の昼間のことである。
「こんにちは〜!くちゅくちゅ食堂で〜す!ご注文のお弁当のほうお届けに上がりました〜!」
「ん?おかしいな…我々はいつもぐちょぐちょ食堂に発注していたはずだが…はっ、まさか!」
配達員の顔を見た偉そうなおっさんの表情が一変した。
「貴様、飯田圭織!そしてもう一人は…辻希美だな!?」
「えへへ、そうです。私達今売れないお弁当屋さんの建て直し大作戦をしてるんです。
 ちょっとでもイメージが変わるように、お店の名前も変えてみたんですよ」
「あとー、このお弁当も梨華ちゃんが考えて作ったんですよ」
「き…貴様ら…ぬけぬけと…」

「??…それじゃあお代のほうは今回サービスですんで、失礼しま〜す!ほら、急ぐよ、辻!」

二人は多くの兵士(スタッフ)を引き連れて疾風のように去っていった。

26 :マングース西浦:01/09/22 12:24 ID:OQbLLZrI
「…それで、これがその弁当ってわけですか」
「そうだ。あまりにも突然で、しかも多数の兵士を連れていたために
 君達に助けを求めることが出来なかった」
「それは仕方ないですよ。それよりこの弁当をどうするか考えないと」
「飯田のことだから多分毒とか入れてるかもしれないしね」
「だから雅恵ちゃん相手のこと全然知らないのに『〜のことだから』とかさぁ」
「うっさいなあ瞳ちゃんは…」

「私が食べます…毒味をさせて下さい」

沈黙を守っていた柴田がようやく口を開いた。
「いいの?危険だよ?こんなの食べて普通の10倍の下痢にでもなったりしたら…」
心配する大谷。
「いいの。私はこないだの戦いで何の役にも立てなかった。
 だからこういう時くらい訳に立たないと。もし♪毒がいっぱい毒がいっぱい入って〜たら…
 …その時は110当番お願いします」
(119でしょ)
しかし柴田の悲壮な決意の前にその斉藤の指摘は遮られた。

(ドキドキ…)
胸を高鳴らせた柴田がまさに弁当に手を掛けようとしたその瞬間だった。

27 :マングース西浦:01/09/22 12:33 ID:OQbLLZrI
「あれ?うまそうな弁当やないですか」
「あ、ちょっと」
稲葉貴子の手によってあっという間に弁当が取り上げられたのである。
「先輩が腹すかしとんねん。少しは気使いや」
「…はい…」

「みっちゃん、二人で半分こして食べようや」
「いやや、あっちゃん一人で食べ」

去って行く二人の背中を見送ってから
「柴田…渡してしまって良かったの?」
訊ねる斉藤。
「私だって…私だって…本当は毒が入っているかもしれない弁当なんて食べたくない…」
仲間の前で初めて正直な気持ちを吐露する柴田。
絆が少しは戻ってきたような気がした。

「うぎゃあああ!」
稲葉貴子の断末魔の声がハロープロジェクト屯所内に響き渡ったのは
それからしばらくしてからのことだった。

28 :マングース西浦:01/09/22 12:34 ID:OQbLLZrI
「ど、どうしたんですか?」
いちはやく駆けつけた斉藤が平家に訊ねる。
「わ…分からへん…あっちゃんがこの焼きそば弁当食べてたら突然…」
慌てて弁当箱を手に取りそれを顔に近づける柴田。
しかし次の瞬間あまりの悪臭にその弁当を取り落としてしまう。
弁当の内容物が部屋中に散乱する。
「うっ…」
「この焼きそばだ…」
「なんて強烈なトイレ臭…」
四人は『くちゅくちゅ食堂』へと急行した。

29 :マングース西浦:01/09/22 12:35 ID:OQbLLZrI
「お前らの悪行もここまでだ!」
大谷の声がくちゅくちゅ食堂のある町内に響き渡る。
何事かと店内から顔を出した兵士(スタッフ)のが四人の顔を見た次の瞬間一変する。

「や…奴らです!この間の加護さん殺人犯です!」
「本当に来たの?」
店内で戸惑っている内に
「よいしょー!」
大谷が、続いて斉藤が店内に雪崩れ込む。
次々になぎ倒されていく兵士(スタッフ)達。

「め…めぐちゃん、私はどうしたらいい?」
戸惑う柴田。すでに眠りに落ちようとしていた村田が静かに答える。
「ただ逃げるだけっていうやりかたもある…でも、やっておかないと
 あとで後悔することになるよ…『あの時やっておけばよかった』って
 これは私が保証する」
抽象的な言葉だったが、すでに固まりかけていた柴田の心を後押しするには充分だった。
「ありがとうめぐちゃん…正義の為に振るう力は暴力じゃないよね?」
「…」
ついにカクン、と下がる村田の頭。
柴田は大谷と斉藤の加勢に向かった。

「でも3だとやっつけておいても戻ると復活してるんだよね…」
村田がこぼした寝言は聞こえなかった。

30 :マングース西浦:01/09/22 12:37 ID:OQbLLZrI
ついに弁当屋の厨房にはモーニング娘。結社、通称モーたいカンパニーの
右将軍飯田圭織、怪人辻希美、石川梨華と、
メロン記念日の斉藤、大谷、柴田の六人だけになった。

「飯田さん助けてーー!!」
「ちょっと石川、離れて!」

飯田が石川につきまとわれて身動きがとれない内にメロン記念日の三人は辻に狙いを定めた。
「何でこんなひどいことをするんですか!?」
「黙れ悪党!おおた二段蹴…」
聞く耳を持たず襲い掛かる大谷。しかし
「つ十文字斬り!」
「うわぁっ!」
厨房の包丁を持ち出して斬りつける辻。
大谷は足を斬られ倒れ込んでいる。

「や、やめなさい辻!怪我したらどうするの!」
腕につかまったままはなれない石川を必死で振りほどこうとしながら
飯田が辻を叱る。
「だって、食べ物が…」
「私は辻のことを心配してるの!」

辻がしかたなく包丁を厨房にもどした頃、既にすぐ後ろに柴田が迫っていた。
「!辻後ろ!」
辻が振り返ったその瞬間、
「あゆミッキーロークの猫パーンチ!」
「あうっ!」
辻が軽く体勢を崩したところに、
「しばタイフーンドライバー!!」

辻の体は四散した。

31 :マングース西浦:01/09/22 12:38 ID:OQbLLZrI
「つ…辻が…そんな…そんな…」
「飯田さん助けて…」
石川はまだ飯田の腕にしがみついている。

「あなた達の偽善はこれで終わりだ」
柴田ががっくりとうなだれている飯田と石川にあゆみ寄る。
止めを刺そうとする柴田。しかしそれを斉藤が止める。
「柴田、私達は人殺しじゃない」
「で、でもこの人達を生かしておいたら」
大谷が柴田の肩に手を置いて、ようやく柴田は諦めた。

「なんで小泉さんは優しい世の中を作ってくれないの…」
4人が去った後には悲しみに暮れる飯田の姿だけがあった。

32 :マングース西浦:01/09/22 12:49 ID:OQbLLZrI
次回予告

まさに雨降って地固まる
最大のピンチを乗り越えた四人の絆は固く結ばれた
一方モーニング娘。結社には恐るべき事態が
冷たい地の底から熱き戦士が蘇る
次回『追撃、双子の悪魔』

33 :名無しさん:01/09/22 13:42 ID:yHpGI/Fo
http://www.geocities.co.jp/Milano-Cat/1750/b01.html

34 :マングース西浦:01/09/23 19:39 ID:20OtaKfc
第4話『追撃、双子の悪魔』
「ごめんなっち…それどころか辻まで…辻まで…」
弟子でもあった『辻希美』のあまりに無残な最期を目の前で見届けた
飯田圭織に対してなぐさめの言葉を掛けられる者などいなかった。
飯田だけではない。中澤裕子を含めた幹部の5人全員が悲しみに暮れている。
「許せない…」
拳を握り締める矢口。
「警察は一体何してんの!?」
人が二人も殺されたというのにまだ容疑者特定の目処すらついていない。
実はこれには村田めぐみに埋め込まれた『妖精回路』の働きがあるのだが、
その話は考えるのが面倒なのでそのうちする。
怪人四人の中では問題児でもあり、ムードメーカーでもあった二人を失った
モーたいカンパニーには沈んだ空気が漂っていた。

モーニング娘。結社略してモーたいカンパニー会議室に思わぬ訪問者があったのは
それから数日後のことである。
「なんか元気無いねみんな」
その声の主は元モーニング娘。の別働隊『プッチモニ』のリーダー『市井紗耶香』だった。

35 :マングース西浦:01/09/23 19:41 ID:20OtaKfc
「な…なんで?」
市井紗耶香はかつて福田明日香や石黒彩といった古い仲間と共に
爆弾テロにあい不幸にも死んだはずであった。しかし…なぜ!?
誰もが自分の目を疑った。
「やだなぁ、おばけかなんかでも見るような顔して」
おどける市井。
「なんで?紗耶香はもう…生きてたならなんで連絡してくれなかったの!?」
驚きの余り訳の分からないことを言う安倍。

「フフフ、この子達を見たらもっと驚くよ」

市井が立っていた側のドアから更に3人の女が現われる。
「あ、この子は後藤真希って言って、私の仲間なの」
「よろしく、後藤真希です」
三人のうち紹介された一人が頭を下げる。
しかし幹部達は既にその後藤真希以外の二人に目を奪われていた。

「加護…辻…どうして?」

しかし二人は無表情のまま一点を見つめている。
「あ、この子達は何かの理由で記憶喪失になっているらしいの。
 さ、二人ともみんなに自己紹介して」
「私は、武燐光」
加護の顔をした方の少女が小さく口を開く。
「私は、ンコ」
続いて辻の顔をした少女も少しだけ口をひらいて自己紹介をした。

36 :マングース西浦:01/09/23 19:42 ID:20OtaKfc
「『ぶりんこう』と『んこ』!?どう見ても加護と辻なのに」
「それに、辻は体がバラバラになって…圭織この目で見たんだよ…」

「フフフ現に生きてるんだから認めなよ。この子達の素晴らしい力を見せてあげる。
 誰か適当な相手はいない?」

「…すまんけど矢口、石川と吉澤呼んで来てくれへんか?」
「…うん」
中澤に言われた矢口が二人を呼びに行った。

「まず、そっちから仕掛けて見て」
市井にうながされ、矢口に突然連れてこられた石川と吉澤の二人が恐る恐る動き出す。
「し、仕掛けてって言われても…」
「梨華ちゃん、じゃああれやろうよ」
「う、うん、あれね、分かった」

「ホワイト!」「ビター!」
「ムースポッキーでーす!」

二人のコンビネーションに応じるように動き出す武燐光とンコ(加護と辻)の二人。

「こ…これは!」

驚きの声が室内を揺らした。

37 :マングース西浦:01/09/23 19:43 ID:20OtaKfc
――一方、ハロープロジェクト屯所
「あーあ、なんで私にだけ必殺技が無いんだろ」
最近の斉藤の悩みだった。
村田には『むらターボスマッシャードリル』、
大谷には『おおたニキータグレネイド』、
柴田にも『しばタイフーンドライバー』がある。
なのに斉藤にだけまだそういった一撃必殺の得意技が無いのだ。
斉藤に埋め込まれた『均衡回路』は戦闘向けでは無いとはいえ、
少し心もとないのは事実だった。

「どうしよう…」

新しい任務が舞い込んだのはこの日の昼過ぎだった。
「都内某宴会場で恐るべき作戦が始まろうとしている。作戦名は『宴会を成功させよう
 大作戦』。付け焼き刃の芸で宴会を成功させるつもりらしい」
「な…なんて偽善なの」
柴田の足腰が力を失い崩れ落ちる。
「許せない…」
早速現場に向かおうとする斉藤らの背中に偉そうなおっさんの忠告が飛ぶ。
「気をつけろ。今作戦に当たっているモーニング娘。は珍妙な技を使うらしい」

38 :マングース西浦:01/09/23 19:44 ID:20OtaKfc
「ここがその宴会場か…」
こっそり中を覗き見る斉藤。
「あ…あれは!確かリーダーが殺したはずの…」
加護亜依だった。
「やっぱり3はやっつけても生き返るから」
「そうだね」
村田の言葉に柴田が適当に肯く。
「な…なんてこと…」
しかもその加護亜依の5本の指先にはそれぞれ小さなキャップが付けられており、
それがもう突然片方の手に移ったり、消えたりしているのだ。
(ま…魔術だ…必殺技の無い私が勝てる相手じゃ…)

もう一方のこちらも死んだはずの辻はなにやら紙芝居のようなものをしている。
紙芝居の中の鳥がうんこをしたり、どうやらそれも魔術であるらしいと思われた。

「お前らの悪行はそこまでだ!」

ついに業を煮やした大谷が宴会場に飛び込んだ。

39 :マングース西浦:01/09/23 19:56 ID:20OtaKfc
――一方、モーたいカンパニーでは
「ハハハ殺人鬼ども、ぶりんこうんこの恐ろしさ、とくと味わうがいい」
市井は笑いながら中継映像の映し出されたモニターを見ている。
その様子を寂しげな表情で見ている者がいた。
「紗耶香…変わったよ」
市井の様子を見ていた矢口がふと漏らした。
「そうかな?」
市井は動じなかった。
「そんな暴力的なことを言う子じゃなかった」
矢口は側にいる石川と吉澤に視線を移しながら言った。

怪人『石川』と『吉澤』はぶりんこうんこの前でムースポッキーを披露した際、
武燐光とンコ(加護と辻)のコンビネーション奥義『炎』の直撃を受け、
背中合わせでくっついたままはなれなくなってしまったのだ。
ムースポッキーに限らずチョコレートは熱に弱い。
その性質を利用して石川と吉澤を溶接してしまったのだ。

「後で切り離してあげるから別にいいでしょ!?」
「…」
矢口は言い返さなかった。

40 :マングース西浦:01/09/23 19:58 ID:20OtaKfc
――再び都内某所宴会場
既に兵士(スタッフ)を全滅させ、残すは加護辻二人だけになったものの
柴田も大谷も斉藤も攻めあぐねていた。
加護と辻の魔術は余りもかわいらしく、つい見とれてしまうのだ。
攻撃の手が出せなかった。

「このまま見とれてたら日が暮れちゃうよ…」
焦る大谷。
「日が暮れたら子供は法律で仕事が出来ない…日が暮れたらこの二人は帰っちゃうよ」
冷静に事態を分析している柴田。
「それは本当なの?柴田」
「うん、確か労働キリン法で決まってる…はず」
「そう…」
時間に限りがある…ついに斉藤は覚悟を決めた。

「私に考えがある…雅恵ちゃん、柴田、済まないけどあの二人を暫くの間押さえつけて」
「…分かった。瞳ちゃんに考えがあるなら協力する」

「うわっ!離せ!手品が出来ない!」
「紙芝居が出来ない!」
二人のかわいさが分かりにくいようこっそり背後から迫り、柴田と大谷は何とか捕獲に成功する。

41 :マングース西浦:01/09/23 19:59 ID:20OtaKfc
――10分後
「雅恵ちゃん…柴田…行くよ…二人はちゃんと逃げて…」
エネルギー充填が完了したのだろう。
斉藤は両腕を広げその技の発動を始める。
「この技に2度目は無い…絶対に決めないと…」
「も…もうこれ以上押えてられないよ!」
怪力の辻を押え込んでいた柴田が悲鳴を上げる。

「さ〜〜〜い〜〜〜と〜〜〜…」

「今だ!」
腕を持って大谷は加護を、柴田は辻を投げ飛ばし、二人を空中で激突させる。
「瞳ちゃん!やって!」

「ウンコ投げーーーー!!!!」

その掛け声と同時に斉藤が広げていた両腕を交差させるように閉じると、
斉藤の肛門から発射された軽自動車の3分の2程もある大きさの巨大ウンコが辻と加護、
通称ぶりんこうんこに覆い被さるように投げられた。
斉藤の必殺奥義『さいとウンコ投げ』である。
否応なく巨大なうんこにうずめられるぶりんこうんこの二人。

「やった…!?…く…」
大汗をかいた斉藤が膝から崩れ落ちる。
この技は膨大な熱量を一瞬の内に消費してしまうため
一時的に血糖値が著しく下がり、激しく体調を崩してしまうのだ。
文字通り、二度目はない。

「うーんーこーがー…」

不意にウンコの中から声がする。
「…まさか!?」
嫌な予感がメロン記念日の三人を包む。

「命!」

ぶりんこうんこがウンコの中から姿を現した。

42 :マングース西浦:01/09/23 20:00 ID:20OtaKfc
「な…なんで通用しないの…」

「なんで通用しないかだって…!?」
「私達がぶりんこうんこだからだ!ハハハハハ…ハ…ウッ!」
突如崩れ落ちる二人。
「な…なぜだ…このぶりんこうんこがなぜ…」
状況を飲み込めないぶりんこうんこの二人が我を失っている。

「つまりお前たちはうんこのことを何も理解していなかったと言うことだ」

うんこの臭いで目を覚まし、出番をうかがっていた村田がここで突如現われる。
「め…めぐちゃん今までどこで何を?」
村田は柴田の質問に気付かないふりをしてさらに続ける。

「お前たちはただ『絵の中のうんこ』や『頭の中でのイメージとしてのうんこ』、あるいは
 『うんこ』という言葉の響きだけに気を取られ現実のうんこを完全に見失っていたんだ」

「そ…そう言われてみれば…」
何かを思い出したような表情をする加護。

「お前たちのうんこへの思いは私から見れば所詮カタワ…お前たちの知らない現実では私達が
 今こうしている間にも世界の到るところでリアルなあたたかさや、臭いや、思いやりのある
 うんこが様々な人種、様々な民族、様々な宗教感を持った人々の肛門から生まれ続けている。
 それを理解するのだな…そうでなければ『うんこ』を名乗る資格など無い」

(思いやりのあるうんこ?)
訝しげな表情を浮かべる斉藤らをよそに静まり返るぶりんこうんこ達。
「闘う前から勝敗は決していた…と言うわけか…」
全てを悟り、満足げな表情を浮かべるンコ(辻)。
しかし、武燐光(加護)にはまだ気になることがあった
「……あんたは……あんたはいつそれを悟ったんだ?」

「2年前だ」

(18歳の時か…)
大谷、斉藤、柴田の頭に同じことが浮かんだ。

「…我々はうんこについて何も理解していなかったんだな…」
「…今度もし…また人間として生まれ変われたなら、
 あなたとは真のうんこの理解者同士として再会したいものだ…」
敗北を認め気を失う二人。

43 :マングース西浦:01/09/23 20:07 ID:20OtaKfc
メロン記念日が去った後、残されたぶりんこうんこの前に一人の女が現われた。
もはや虫の息のぶりんこうんこの両目にはうっすらとしかその姿は写っていない。

「い…飯田さん…」
「!加護…自分の名前が言える?」
「あ…あたし加護亜依やねん…」

死を目前にしてようやく自分の記憶を取り戻したのだ。
辻も必死に飯田の方を向こうとしている。
二人をうんこから取り出し、並んで寝かせる飯田。
「何があったか…教えてくれる?」
飯田の問いに、しかし加護は答えられなかった。
「わからへん…でも、安倍さんとリフォームしてたらおっきい爆発があって…
 そして気がついたらここにおった…」
(死んでからついさっきまでの記憶が無いってこと…!?)
「辻は?」
「辻もなんかそんな感じ…」

「一体何がどうなってるの…」
飯田自身の身にも大いなる運命が迫っていた。

44 :マングース西浦:01/09/23 20:26 ID:20OtaKfc
次回予告

最大のライバルも退け意気上がるメロン記念日
モーニング娘。壊滅も近いのか
しかしモーニング娘。の魔の手は既に思わぬところまで及んでいた
形勢逆転か?メロン記念日にこれまでにない意外な伏兵が忍び寄る
次回『哀歌かなしく』

45 :マングース西浦:01/09/24 22:35 ID:1Uc9DRH6
人気低迷により打ち切ります

46 :名無し娘。:01/09/24 23:42 ID:d7qAVSgA
>45
そんなこと言わないで続けてくださいよ。

47 :マングース西浦:01/09/25 07:59 ID:Fpx0cXFc
再開します

48 :マングース西浦:01/09/25 08:03 ID:Fpx0cXFc
第5話『哀歌かなしく』
「ま…まさかぶりんこうんこがやられるなんてね…ちょっと予想外かな」
「ちょっと紗耶香今何て言ったの!?」
「ん?何が?」
「やられたとか…予想外とか言わなかった?」
ぶりんこうんこの最期を見届けたこの市井の言葉を聞き、
矢口が厳しい表情で詰め寄る。
「それがどうかした?」
市井はなぜ矢口が怒っているのかも分からず
むしろ戸惑っているような様子すら見せている。
「紗耶香、こんな偽善者みたいなこと言いたくないけど…アンタ人の命を何だと思ってるの!?」
「人の命は人の命でしょ?それ以外に何があるのよ」
「え…」
平然と答える市井の表情を見て後ずさる矢口。
場に気まずい空気が流れる。しかしそれを緩和したのは左将軍だった。
「矢口、今の紗耶香はどうかしてるんだよ…だってそうでしょ?あの辻と加護を見て
普通でいられるはずがある?私だって…悲しくて泣きたいのをこらえてるんだから」
「なっち…」

「ふん」

矢口をなだめる安倍は市井がそうふてくされるように鼻を鳴らしたのを聞いた。

49 :マングース西浦:01/09/25 08:04 ID:Fpx0cXFc
そんな時、
「……」
辻と加護の二度目の最期をその目で見届けた飯田が無言で戻ってきた。
「あの子達の両親にどう報告したらいいの?分からない…」
そう言って腰を掛け黙り込む飯田。
それに最初に声を掛けたのは市井だった。
「圭織、何であの二人を見殺しにしたの!?」
「…なっ…!」
幹部全員の視線が市井と飯田に集中する。

「ハハハ、だってそうでしょ?矢口なんか私のこと責めるけどさあ、
 現場にいたのにあの二人を見殺しにしたのは圭織じゃん
 そう、私を責めるなんて筋違いなんだって」
「…」
飯田は同じ『宴会を成功させよう大作戦』に参加してはいたものの
一人別働隊として段取りを行っていたのだ。
しかしそんなことは言い訳にもならない。
飯田は反論しなかった。

「祐ちゃん、圭織には罰を与えるしかないよ!」

市井が鬼の首でも取ったかのような表情でうなだれる飯田を吊し上げる。
「な…なんてこと言うの紗耶香…圭織は悪くない、辻と加護とは全然別に行動してたんだから…」
市井をなだめようとする保田を、しかし飯田が逆に止める。
「圭ちゃん…いいの。ねえ祐ちゃん、紗耶香の言う通りどうにでも私に罰を与えて」
一瞬考え込む表情を浮かべた中澤はすぐに頭を上げると
「今日は加護と辻の葬式の準備もあるやろうし…落ち着いたら謹慎してもらおうか」
そう言った。
「…分かった」
一週間後、飯田に無期限の謹慎が命じられた。
無論表面上は自主的に、という名目だった。

50 :マングース西浦:01/09/25 08:05 ID:Fpx0cXFc
――一方、ハロープロジェクト屯所
先日の焼きそばの一件以来四人と稲葉一行との抗争は激化する一方だったが、
この頃メロン記念日と稲葉一行には共通の好敵手(ライバル)が認識されつつあった。
『松浦亜弥』、入隊間もなく若いながらも非常に優秀なメンバーだった。
しかしその中で柴田だけは松浦に対して密かに憎からぬ感情を持っていた。

先日、ミーティングを終えた柴田が気分転換にと屋上に出た時のことである。
柴田はそこで美しい歌声を聞いた。
「♪は〜しゃ〜い〜じゃぁってよいのかな〜」
松浦亜弥だった。
柴田は松浦の側まで近づいたが、歌に夢中の松浦は気付く様子も無い。
「いい歌だね」
柴田がそういってようやく松浦は隣で柴田が聞いていたことに気付いた。
「歌はいい…人類が生み出した宝の一つだと思いません?」
「そうだね」
「あなたも、歌を歌えますか?」
促されて柴田も歌い始める。
「♪あ〜した〜は〜きね〜んびだぞ〜」
目を閉じて柴田の歌声に聞き入る松浦。
柴田の歌が終わったところで、松浦はなぜか悲しげな表情を浮かべる。
「あなたの歌声はとても混沌としているね…」
「え?」
「好意に価します」
「…」
「好きってことですよ」
この日以来二人は密かにお互いの漫画の交換をしあったりしているのである。

しかし、
これから数日後、ハロープロジェクト屯所内であの忌まわしき事件が始まったのである…
その先に待つ悲しい運命を、まだこの時は誰も知らなかった。

51 :マングース西浦:01/09/25 08:07 ID:Fpx0cXFc
「くそっ、まただ!これじゃあ眠れないぞ!」
ここのところ毎晩深夜、みんなが寝静まったころに最大音量の館内放送で
『第九』が流れるようになったのである。
このままでは住み込みの職員達が全員寝不足でダウンしてしまうのは時間の問題だった。
そして、誰にも犯人が誰かなど見当もつかなかった。
そう、『良心回路』を持つ柴田あゆみ以外には誰にも…
柴田だけはここ数日の松浦の変化に気付いていた。
以前は少女漫画ばかりを好んで読んでいた松浦がここのところ
ホラー漫画ばかり読むようになっている…

この日も、松浦は深夜の放送室に忍びこんでいた。
「行くよ、リリス」
そう言いながら松浦が音量を最大にして、電源をONにしようとしたその時だった。
「なんで…なんでこんなことを」
背後から柴田の声がした。
松浦は振り返ることもせず、その声を背中で聞いた。
「なんで裏切ったの…」
松浦は答えようとしない。
「なんとか言ってよ亜弥ちゃん!」
「ふふっ…」
柴田の訴えに僅かに寂しそうな笑いをこぼすと、松浦はようやく口を開いた。

「…私は、あなたに止めて欲しかったのかもしれないな」

52 :マングース西浦:01/09/25 08:24 ID:9UtUnyh.
「…説明して…」
柴田が静かに促す。
「私は、毎週テレビで『モーたいへんでした計画』を見ていた…すると
 いつの間にかあの計画に夢中になっていた…そしていつしかあの計画に
 自分も協力したいと思うようになっていたの。そしてこの間ふとしたことであなた達
 メロン記念日があの計画を邪魔していると知った…私はこうせざるをえなかった」
松浦の背中が震えている。
しかし、柴田にはどうしても信じられなかった。
「じゃあ、私と仲がよかったのも…私達を油断させるためだったっていうことなの!?」
「信じてくれなくてもいい…でも、最初からこうするつもりじゃなかった」
そう言って松浦は振り返った。表情はむしろすがすがしい。
「さあ、私を殺して下さい。私にとって生と死は同価値なんだ。
 …そしてあなたは…まだ死すべき存在じゃない」

「そんな…何を言うの亜弥ちゃん…」

「私は…あなたと出遭うために生まれてきたのかもしれない…」

「…」

他の誰かの手に松浦の身を渡すくらいならば…柴田はしばタイフーンドライバーで
松浦を葬り去った。

「こんな悲しい出逢いって…」

53 :マングース西浦:01/09/25 08:26 ID:9UtUnyh.
――一方、モーたいカンパニー
「圭織は何も悪くないのに…紗耶香は絶対どうかしてる」
独り言を呟きながらトイレに向けて歩を早めていたのは矢口真里だった。
仲間の死と再会した市井紗耶香の変貌、そして飯田圭織の謹慎とここ数週間だけで
めまぐるしいまでに身辺に変化が起こった矢口はわずかに体調を崩していた。

仲間の前では元気な一面を見せるよう努める矢口にとってトイレは数少ない
気が休まる場所だった。

「あれ?」

角を曲がったところで誰かと擦れ違った矢口は自分の肩から脇腹にかけて
これまでに味わったことの無いような違和感を感じた。
(あ…熱い…!?)
違和感を感じた場所が赤く塗れている。
(な…何で?)
膝から崩れ落ちる矢口。
擦れ違った相手の背中はぼやけていく矢口の視界の中であっという間に小さくなっていく。
「い…嫌だ…死にたくない…」
矢口の意志とは無関係に、その人生の幕はすぐに閉じられた。

「あなたはちょっとうるさすぎ」
矢口がその人生で最期に見た背中の持ち主はそう言って邪悪に微笑んだ。

54 :マングース西浦:01/09/25 08:30 ID:9UtUnyh.
次回予告

敵はモーニング娘。だけにあらず
暗雲立ち込めるハロプロ屯所に射す光明は!?
一方復讐に燃えるモーニング娘。はついに最大の作戦を始動させる
子豚不細工来るなら来い妖精めぐたんここにあり
次回『決断!巨大要塞攻撃指令』

55 :梨華ヲタ☆(モーニング娘。):01/09/25 08:46 ID:peYIXo.A
なんだぁこれはぁ〜

56 :マングース西浦:01/09/25 18:08 ID:SxXPpxaQ
人気低迷につき打ち切ります

57 :名無しさん:01/09/25 20:23 ID:s33gpkRA
えぇー!続けてよー

58 :名無しさん:01/09/25 20:27 ID:PmUODDU.
俺も楽しく見ていたぞ。

59 :マングース西浦:01/09/26 08:04 ID:j4wk1g0c
第6話『決断!巨大要塞攻撃指令』
「ねえ圭織、次は『スーパーマーケット再建大作戦』なんだって」
右将軍の飯田圭織が謹慎を命じられて以来、
左将軍であり飯田とは古い仲間同士でもある安倍なつみは
度々飯田のもとを訪れては近況の報告を行っていた。
古い仲間である矢口の死を報告する時は辛かったものの、
悲しみは二人で分け合うことが出来た。

「スーパーマーケットかぁ…今までパン屋さんとか、弁当屋さんとかばっかりだったから
 これまでにない大きな作戦になるね…」
「そう、これまでの♪ちっちゃなちっちゃな思いやりが でっかなでっかな愛となる
 といいね、って祐ちゃんも言ってた」
飯田の胸の中には大きな作戦が実行されることへの喜びよりも心配なことの方が大きかった。
作戦実行時に度々現われるあの四人組の殺人鬼である。

「圭織、心配しなくても大丈夫だって。この作戦には私と、圭ちゃんが一緒なんだから」
「うん…そうだね」
だが矢口真里殺人犯もまだ見つかっていない以上、安心など出来るはずもなかった。

60 :マングース西浦:01/09/26 08:06 ID:j4wk1g0c
――ハロープロジェクト屯所
松浦の一件以来、柴田は部屋に篭りがちになっていた。
メンバーが声を掛けても答える時と答えない時があったり、
精神も不安定になっている。

「しっかり者の柴田らしくもない…」
そうぼやくのは大谷だった。
「しょうがないでしょ…あんなことがあったんだから」
「それでもしっかりしてくれないと困るよ。うちらは四人で一つのメロン記念日なんだから」
だが、柴田がかかえている問題が柴田個人のものである以上、
他の3人にはどうしてやることも出来なかった。

「裏切ったんだ…亜弥ちゃんは私を裏切ったんだ…だから殺したんだ」
柴田の持つ良心回路では解決できない難しい問題だった。

しかし、こんな時でもモーニング娘。は黙って待っていてはくれない。
次々と新しい作戦を考え出しては、世界征服へとその野望の範囲を広げているのだ。
ハロープロジェクト屯所はまたモーニング娘。の新しい作戦を察知した。

「『スーパーマーケット再建大作戦』…今までは個人商店だけだったのに…
遂にスーパーマーケットとはね…」
斉藤はこのことが何を意味するか理解したらしい。
「どういうことなの?」
大谷が訊ねる。
「だって大きいお店ならそれだけ利益も大きいでしょ!?
 それなら影響力もそれだけ大きいんじゃないかってこと」
偉そうなおっさんが肯く。
「そう、これまでのパン屋や弁当屋が『小城』とすれば、スーパーマーケットは『巨大要塞』。
 この大作戦を成功させてしまえば奴らにはずみをつけさせることになる。
 だからこの作戦はなんとしても阻止せねばならないのだ。諸君、頼んだぞ」
柴田は一人浮かない顔をしていたが、それでもとりあえずは一緒に現場に向かうことになった。

61 :マングース西浦:01/09/26 08:07 ID:j4wk1g0c
「柴田…攻撃前に言っておくけど、松浦に同情する必要なんて無いんだからね。
 私達にとっての最大の敵は『モーたいへんでした計画』なの。
 柴田はそれを阻止するために松浦を止めたんだから」
攻撃を開始する前に斉藤が一度振り返って言う。
「そうだよ…それに松浦も最期にあんたと話せてよかったと思ってるんじゃないかな」
続いた大谷の言葉は少し無責任過ぎたが、
柴田の心にメンバーの優しさは伝わった。
「分かってる…亜弥ちゃんみたいな悲しい子を増やさない為に
 私はモーニング娘。を叩く。徹底的にね」
「よし」
物陰からスーパーマーケットの様子を伺うがまだ作戦は準備段階であるらしく、
店のシャッターは閉じられている。
「開店してからじゃ民間人を巻き込んだりクリトリスが大きすぎる。攻撃するなら今だと思う」
(クリトリスじゃなくてリスクね)
柴田の提案にうん、と他の3人も肯き攻撃が開始されることになった。

――一方、店内
「分かりました。先入れ中出しってことですね」
「先入れ後出しです」
棚卸しの担当となった保田。マクドナルドなどでアルバイトの経験を持つだけに覚えが早い。
安倍には生鮮食品食品売り場が、石川吉澤にはそれぞれレジ打ちが任され、
それなりに悪戦苦闘していた。
しかしそんな中でも四人の心の中にあったのは『飯田の分も頑張らなくては』
という共通の気持ちである。

「おおたニキータグレネイド!」

店の中央で大谷雅恵の大技が文字通り爆裂したのはそんな時だった。
何人かの兵士(スタッフ)はそれだけで葬られている。
幾つかの棚は完全に瓦礫と化した。

「覚悟しろ悪党ども!」
保田はメロン記念日の誰かが吠えるのを聞いた。
「な…なんでそこまで私達を付け狙うの!?」
安倍の訴えにも四人は全く耳を貸さない。
「誰も逃がすものか!」
四人の獅子奮迅の戦いで次々と倒されていく兵士(スタッフ)達。

62 :マングース西浦:01/09/26 08:09 ID:j4wk1g0c
保田は仲間三人の動きを目で追っていたが、石川は腰を抜かしてしまい全く戦力にならず
普段は度胸のいい吉澤も突然のことに動揺してしまいこちらもほとんど戦力になっていない。
一人安倍は「腹が減っては戦は出来ぬ」の言葉にならい
売り場の食べ物を手当たり次第食べているが、間に合いそうも無い。
保田は一人決意を固めた。

「四人とも!こっちを見て!」

ついに兵士が全滅したところで声を張り上げた保田。
メロン記念日の四人の視点が一時にそこへと集中する。
そこにあったのは『やすダ(タ)イムサービス』の張り紙だった。
保田の起死回生を狙った大技である。

「いらっしゃいませ〜いらっしゃいませ〜ただ今からこちら生鮮食品売り場に
 おきまして玉子ひとパック10円ひとパック10円となりま〜す
 ただ今から10分間限定のお得なタイムサービスとなっております
 どうぞお気軽にお立ち寄りください」

「な…なんだって?なんてお買い得なんだ!」
「ひとパック10円ってことは一個1円!?信じられない!」
ついそちらに足を向けてしまう大谷。つられて斉藤、柴田、
得意料理が目玉焼きの村田もそちらへと駆けつけてしまう。
四人の手であっという間に買われていく玉子。

「け…圭ちゃんいつのまにあんなこと覚えたの?」
安倍は保田がマクドナルドでアルバイトしていたということしか知らない。
(はっ!)
安倍は気付いた。
マクドナルドは平日半額なのである。
(そうか、圭ちゃんにとって安売りなんてお手のものなんだ…)

「今度はこちら野菜売り場におきまして茄子が一個3円、一個3円となります」
「な…なんで茄子がそこまで安くなるの?」
今度は日用品売り場へと向かわされるメロン記念日のメンバー達。

その間保田は身振りで仲間の3人に逃げるように指示する。
「そ…そんな…圭ちゃんを一人置いて逃げるなんて…」
(いいから!私に考えがあるから!)
保田の心の声が聞こえたのか、一度は戸惑った安倍も
保田がこれまで見たことも無いような厳しい表情をするのを見て、
ついに石川と吉澤に一緒に逃げるように命じた。

「梨華ちゃん!よっすぃー!逃げるよ!」
「保田さんを置いて逃げるんですか!?」
「いいから!圭ちゃんは大丈夫!」

安倍が厳しい声で吉澤を叱咤したが、この一瞬の躊躇が吉澤にとって命取りになった。

バギューーン!

村田の新技『むらターボスピニングウルトラギガンティックバスターライフル』が
吉澤の胸板に大穴を開けたのである。
吉澤は完全に即死だった。
村田は目玉焼きが得意料理なので茄子は別に必要では無かったのだ。
「な…よっすぃー!!…なんでこんなことに…圭ちゃん…絶対に生きて返って来てね!!」
そう言って安倍が店を後にしたのを確認し、
一瞬安堵の表情を浮かべる保田だったが、その顔はすぐに
倒れたまま動かない吉澤を見て悲しみに曇った。

63 :マングース西浦:01/09/26 08:11 ID:j4wk1g0c
「よ…吉澤…そ…そんな…よくも…こうなったら…和牛ステーキ肉100g30円を食らえーーー!!」
「す…すごい、なんて安さなの!?」
完全に気を取られてしまっているメロン記念日のメンバーを見て
気が抜けたか不意に満足げな表情を浮かべる保田。
吉澤の死から来る動揺と思い上がりの為にそこに群がるメロン記念日のメンバーの中に
村田めぐみの姿だけが無いことに気付かなかった。

「え!?」

下腹部辺りを軽く後ろから押されたような感覚を覚えた保田が恐る恐る後ろを振り返ると、
そこには村田の顔があった。

「私にお肉は通用しない」

村田の嫌いな食べ物が肉だったということを焼き肉の為に韓国まで行こうとする
保田は知らなかった。
後ろから村田の『むらターボスマッシャードリル』で腹部を刺し貫かれた保田は
「みんな…ごめん…守り切れなかった…」
そう言うとすぐに息絶えた。

64 :マングース西浦:01/09/26 08:14 ID:voD8cgpA
――一方、市井と中澤二人だけのモーたいカンパニー会議室
「祐ちゃん、みんな大丈夫かな!?」
「大丈夫やろ。圭ちゃんも、なっちも一緒におるんやから。
 吉澤も石川も最近はしっかりして来てるし」
「ふーん…信用してんだ…みんなのこと」
市井は中澤の答えを薄ら笑いを浮かべながら聞いている。
中澤はそれに気付いたがあえて注意はしなかった。
市井は何かを考えるように中澤の前を右へ左へ行ったり来たりしている。

「私のことは信用してる!?」

市井は突然足を止め目を見開いて中澤の顔を見ると、そう訊ねた。
「当たり前やろ」
「ハハハこれでも!?」
市井は急に中澤の目の前まで近づき、ポケットから折りたたみ式のナイフを取り出すと
素早く首筋にそれをつきつける。
「な…何の真似や…」
「今、ここには祐ちゃんと私、後は後藤しかいない…これがどういうことか分かる?」

中澤の表情は青ざめ、体は露骨に震え始めている。
そこで市井はさらにナイフを中澤の首筋に近づけ、切れない程度に
肌に刃を触れさせる。
ナイフの刃先があっという間に冷や汗で濡れ始めた。
「ねえ、祐ちゃんってば…」
市井の冷たい目が中澤の青ざめた顔を見下ろしている。

「その辺にしといたら?そろそろみんな帰ってくるよ」

絶体絶命の中澤と狼藉者市井の耳に突然飛び込んだのは
市井が仲間として連れてきた後藤真希の声だった。

「…ハ…ハハハハハ!!」

後藤の声で何かが切れたように笑い出す市井。
「ハハハ…冗談だよ祐ちゃん。怖かった?ハハハ…」
市井は腹を抱えて笑いながら部屋を出ていった。
市井が部屋を出ると、後藤も
「失礼します」
とだけ言って静かに自失する中澤を残して部屋を出ていった。

65 :マングース西浦:01/09/26 08:16 ID:voD8cgpA
次回予告
最大の作戦も無事に凌いだ四人の中に
知らず知らずに芽生えたおごりの心
闇に潜む冷たい種火が乾いた魂に引火する
ついにモーニング娘。がその面子をかけて攻勢に転じる時
次回『戦慄、囮の星』

66 :マングース西浦:01/09/26 08:17 ID:voD8cgpA
再開しました

67 :マングース西浦:01/09/26 16:23 ID:i6kxfgv6
人気低迷のため打ち切ります

68 :名無しさん:01/09/26 17:43 ID:4Z1B/eVg
続けてくださいってば

69 :マングース西浦:01/09/26 20:59 ID:XIfkSGVI
人気低迷のため7話としてお送りする予定だった
「戦慄、囮の星」と8話の予定だった「解き放たれた野心」を中止にして
次回は最終回『あした』をお送りします
皆様のあたたかい放置ありがとうございました

70 :名無し募集中。。。 :01/09/26 22:40 ID:5h8ivWhU
>69
そんな卑屈にならなくても…

71 :名無しさん:01/09/28 02:12 ID:mDdeqJYk
続けてくださいよぉ。
ネタスレを汚すの嫌なんであんまり書き込みたくないだけなんですよ。

72 :マングース西浦:01/09/28 21:04 ID:zSACoTq2
急遽予定通りお送りすることになりました

73 :マングース西浦:01/09/28 21:05 ID:zSACoTq2
第7話『戦慄、囮の星』
「ねえ祐ちゃん、いつまで圭織を謹慎させとくつもり?
 圭ちゃんも…よっすぃーまでがあんなことになって…
 もう頼りになるのは圭織と梨華ちゃんだけなんだよ!?」
安倍の提案にじっと考え込む中澤。
いつの間にか幹部は中澤と左右両将軍の3人だけになってしまった。
しかし…

「アハハハ、なっち、それはうちらが頼りにならないってこと?」
「聞いてたの…」
二人だけしかいなかった会議室に現われたのは市井紗耶香だった。
最近では安倍も余り顔すら合わせないようにしている相手だった。
以前とはまるで別人のように性格が変貌している。
「それに圭織が無期限の謹慎になったのって昨日今日じゃん。
 もうそれを解除するなんて甘すぎるんじゃないかなぁ、ねえ祐ちゃん」
「…」
沈黙する中澤。

「うちらだけでやれることをやろうよ」
「やれることって?」
市井はニヤリと笑うと、部屋の外にいた後藤を呼び寄せた。
「『スターの豪邸クリーン大作戦』」
後藤の提案だった。
だが『モーたいへんでした計画』の主旨からは少し離れたミッションではある。

「提案は嬉しいんやけどな、それは…」
「『嬉しい』んだね!?ハイ、決定」
「な…」

市井が強引に決定させてしまった。

74 :マングース西浦:01/09/28 21:06 ID:zSACoTq2
――一方、ハロプロ屯所
この日のミーティングは何かいつもと様子が違っていた。
いつもは別行動をしている平家みちよも参加しているのである。
「平家さん、今日はどうしたんです?」
「分からへんよ。私もここに来いって言われただけやから」
「平家さんと共同作戦ってことなのかな…」
「嫌やわー、そんなんやったらアホな病気とかうつされそうやわ」
「…ところで稲葉さんの具合はどうなんですか?」
稲葉は以前モーニング娘。の石川梨華が作った弁当の焼きそばを食べて食中毒になり
一時は意識不明の重体で生と死の間をさまよったものの持ち直し
それ以来入退院を繰り返している。

「さあ、死んではおらんと思うけど。あの人ほんまにしぶといから」

平家はハロプロ屯所の中では最もキャリアが長い。
それだけに逆に微妙なポジションに置かれていた。

ドアが開き、五人に作戦が告げられたのはこれから数分後のことだった。
「今度の奴らの作戦は『スターの豪邸クリーン大作戦』だ」
「そ…そんなことって…」
『良心回路』を持つ柴田が崩れ落ちる。
これまでの10倍の崩れ落ちかただった。
「そんなのただのお昼のワイドショーのワンコーナー用の安い企画じゃないですか…はっ、まさか…」
「そうだ。これは正しくお掃除大好き専業主婦層へのピンポイント爆撃だ」
これまでの狙いの層がはっきりしない作戦から志向する層への
視点が定まった的確な企画に転換するつもりなのか…
しかしそれは想像でしかない。
「敵の指揮官が変わったの?」
「分からん…だが、相手も相当焦ってきていることは間違い無いだろうな。
 なりふり構わなくなってきている」
「…いよいよ大詰めか…」

「…で、なんで私が呼ばれたんです?」

ようやく平家が口を開いた。
ここまで聞いていても全く理由が分からなかった。
「そのクリーン大作戦の標的となった『スターの豪邸』が、平家君、君の家なのだ」
「え?平家さんのどこがスター…いたっ!」
言いかけたところで平家に後ろから頭を殴られる大谷。
「いよいよ私もスターか…」
「いや、そうではない。奴等が諸君の存在をおぼろげながらにも察知したのだろう。
 そこで古い縁のある平家君をターゲットにしたのだ。断じて平家君がスターだからでは無い」
「…最後のほう強調せんとって下さい…」

平家はかつてモーニング娘。の仲間だったという。
中でも大将軍の中澤裕子とは特に親交が厚かったらしい。
だが、今では完全に袂を分かちお互い異なる立場に身を置いている。
「そのよしみを利用したのだ」

「ひどい…」
再び崩れ落ちる柴田。

ともあれメロン記念日は平家の『豪邸』でモーニング娘。待ちうけ、
一気にそれを殲滅することに決めた。

75 :マングース西浦:01/09/28 21:09 ID:zSACoTq2
――平家の『豪邸』に移動した5人
「これだけは言っとくけど、絶対に私の家の中では暴れんとってな。
 暴れるんやったら絶対おもてでやって」
「分かりました」

ピンポーン

呼び鈴が鳴ったのはそんな時だった。
『このへんにー、平家みちよさんの豪邸があるって聞いたんですけどー
 どちらがそうなのかお聞きしたいんですよー』
放送用のわざとらしい前フリがインターホンを通して聞こえている。
「あの、私平家ですが」
『えー!?』
『おっきーい!』
安倍や石川のわざとらしい驚きの声が内線を通じて室内に響く。
インターフォンの受話器を置いた平家が舌打ちをしながら玄関に向かう前に
もう一度振りかえる。
「分かったな?絶対に部屋の中では暴れへん。この部屋引越しの後片付け終わったばっかり
 なんやから。インテリアも私のお肌と同じで繊細でデリケートに出来てんねんからな」
「……分かってますって」

ガチャ…

平家が玄関のドアノブを回すやいなやそれを待ち受けていた市井が一気に部屋に飛び込む。
「こんにちはーー!!モーたいカンパニーでーーーす!!」
ダダダダダダ…
市井が手にしていたのは機関銃だった。
整然とした平家の部屋の壁面に次々と鉛筆を突き刺したような穴が生まれる。
平家自身は間一髪で難を逃れたものの、

「あぁ…敷金礼金が…」
もはやそれらが平家のもとに戻ることは無いだろう。

「や…やめなよ紗耶香!銃刀法違反だよ!」
「うるさい!あーーーはっはっは!!真っさらの焼け野原にしてやる!!」
市井の心にはもはや安倍の声など届いてはいない。
「ど…どうしたの市井さん?なんか普通じゃないよ…」
石川がなぜか平然としている後藤に訊ねる。
「こうやって暴れればあの殺人鬼たちがおびき寄せられるからじゃない!?」
「…」
市井の機関銃はまだ火を吹くことを止めない。

「くっ…どうする?いくら私達でもあんなの使われたりしたら蜂の巣だよ」
「大丈夫だって」
打つ手が無いといった表情の斉藤を見た大谷がニヤリと笑う。
「おおたニキータグレネイド!」
モーニング娘。や平家のすぐそばでそれが爆裂する。

「お…終わった」
言いながら吹き飛ばされる平家。なんとか自身は無事なようだ。
モーニング娘。のメンバー達もどうにか無事らしい。
だが平家の『豪邸』はもはや完全に焼け野原だった。

「あれ?平家さん部屋の中では暴れるなとか言ってなかった?」
「そうだっけ?別にいいんじゃない!?」
「結果オーライだもんね」
誰ももとから平家の言葉を聞いてはいなかった。

76 :マングース西浦:01/09/28 21:11 ID:zSACoTq2
「とにかく…おおたニードローップ!!」
バキ…
「うわぁっ!!」
虚をつかれて倒れたままの市井の左足に大谷の大技が不吉な音をたてながら炸裂する。
「くっ…折れた…」
「市井ちゃん大丈夫?」
痛がる市井の側に素早く後藤が駆け寄る。
「この…まさ延髄斬りーー!」
再び大谷の大技が駆け寄った後藤に炸裂するかと思われた瞬間、
後藤は平然と少し屈んでそれを避け、
「ごとうまキーーック!」
「うっ…」
意外な怪力で大谷に大きなダメージを与える。

「ひ…ひどい…私達はただみっちゃんの部屋をお掃除しに来ただけなのに…」
呆然とする安倍に、
「くっ…逃げるよ!」
後藤に肩を抱えられ立ち上がった市井が撤退を勧める。
「安倍さん!逃げましょうよ!」
腰が抜けかかった石川が安倍の手を引いて、ようやく安倍も撤退を決めた。
「よし、じゃあ後藤と私はこっちに逃げるから、なっちと石川はそっちから逃げて!」
「は…はい!」
分散して撤退するモーニング娘。。

「くっ…逃がすか!」
メロン記念日のメンバーもみすみす怪我を負わせた相手をにがすわけにはいかない。
しかし四人の背中は既に遥か遠くなっていた。

メロン記念日も去った平家の部屋にはすすり泣く平家だけが残された。

77 :マングース西浦:01/09/28 21:12 ID:zSACoTq2
――
「もうこの辺でいっかな」
「ん?何?」
市井に肩を貸して一緒に逃げていた後藤がふいに立ち止まる。
「後藤、早く逃げよう、まだあいつらうちらを探してるかもしれない」
「それならそれでいいんだけどね」
そう言って市井を突き放す後藤。
「うわっ!…なにすんだよ」
市井は尻餅を突きながらも後藤を睨み付ける。
だがそれを見下す後藤の目には何の感情もこもっていないように見えた。

「…どうしたんだよ…後藤」
「あんたはちょっと失敗だったな…性格が乱暴過ぎる」
「…は…!?」
「用済みだよ」
「な…なに言って…!?…うわぁっ!!」

市井の身体が突然腐敗を始め崩れだす。
「死んだはずの自分が生きかえって、不思議だとは思わなかったの?」
「そ…そんな…アンタ…一体…!?…」
この市井と呼ばれた『後藤の傀儡』は何も知らされぬまま
人通りの無い暗い道端で永遠に土へと環った。

78 :マングース西浦:01/09/28 21:16 ID:zSACoTq2
次回予告
突然なる奇襲は弛んだ四人の心を引き締めた
光の戦士は暗い世界に光明をもたらすか
一方遂にモーニング娘。に潜んだ黒い野心が太陽を求めて芽を伸ばす
なりふり構わぬモーニング娘。に四人が打つ手はあるのか
次回『解き放たれた野心』

79 :マングース西浦:01/09/29 11:39 ID:YqB9ONXQ
第8話『解き放たれた野心』
突如届いた『安倍なつみ死す』の報はモーニング娘。にとって余りに強烈な事件だった。
モーニング娘。に残った初期メンバーの二人の内の一人が、遂に死亡したのである。
それは『スターの豪邸クリーン大作戦』が失敗に終わり、撤退を余儀なくされた日のことである。
安倍は石川梨華と二人一組となって逃走したのだがその途中、
太り気味の安倍が体力不足で走れなくなってしまった。石川によると

「もう私走れないから梨華ちゃん先に逃げて」
「駄目です!安倍さん一人残して逃げるなんて出来ません!」
「心配しないでよ。私、ピンチランナーなんだから」

というやりとりがあったというが、
安倍は石川に先に逃げるよう命じてそのまま帰ってこなかったのである。
新聞に安倍の死亡記事が掲載されたのはその二日後だった。
第一発見者のコメントは『子豚の死骸かと思ったら違う豚だった』というものだったという。
遺体はモーたいカンパニーから程近い丘の上の公園の林の中に放置されていた。

中でも石川の嘆きは激しかった。
「私があの時ひっぱってでも安倍さんを連れ帰っていたら」
今ではメンバーの慰めもあり立ち直りはしたものの、
ついに飯田の謹慎は解かざるをえなかった。

中澤飯田の新体制のモーニング娘。が発足したわけである。
一方の後藤はまだ不穏な動きを表に出していない。

また、こんな時でも誕生日だけは例年と同じように訪れる。
飯田の謹慎が解かれた日は偶然にも中澤の誕生日だったのである。
「中澤さん、おめでとうございます!」
石川が手渡したプレゼントは中澤が生まれた年に作られたというワインだった。
「すごいなーアンタ…その歳でこんな気遣わんでもええのに…」
「中澤さん『プレゼントより現金くれ』っていつも言ってるじゃないですか。
 でもなんかそれだと味気ないと思って…」
「…そうか、ありがとう」
石川のプレゼントが終わった後飯田は済まなそうな顔をして
「ごめん祐ちゃん…私何も買えなくてさ…」
そう謝まった。この日まで謹慎していたのだから無理からぬ話だった。
「ええって、アンタがいてくれるだけで充分やし石川がやり過ぎなだけやから」
後藤からのプレゼントは『カルミア』の花だった。

80 :マングース西浦:01/09/29 11:40 ID:YqB9ONXQ
――一方、ハロプロ屯所
「アヤカさんってアメリカ人なんですか?」
たまたまエレベーターで二人きりになったアヤカと大谷だった。
才媛アヤカの任務は英会話教師に変装してモーニング娘。に突撃し、巧みに次の作戦を
聞き出してくるというものである。
危険な潜入捜査だが、これまでにミスを犯したことは一度も無い。
「…まあね」
神戸生まれのアヤカがさり気なく嘘をついたのには気付かず大谷が続ける。
「マジですか!目茶苦茶かっこいい!私最近外国語に凝っててアメリカの人に会ったら
 聞きたかったんですけど、なんで英語の会話は英会話って言うのに
 中国語の会話を中会話って言ったりフランス語の会話をフラ会話って言ったりしないんですか?」
「…それってアメリカについての質問じゃないし」
「え?分からないんですか?」
「ごめんね」
「なーんだ…ちぇ…」
「…」

エレベーターを出たところで分かれる二人。
「はぁ…」
ため息を吐く大谷。
疲れているのだろう。
斉藤はまとめ役としての役割を演じるのに疲れていたし、村田はバイオハザードに疲れていたし、
柴田は悪意と善意の狭間で揺れ動くことに疲れていた。

しかし、こんな時でも任務は変わらず届く。
「『一日警察署長大作戦』!?なんてこと…よりによって平和の番人に目をつけるなんて…」
柴田が崩れ落ちる。
「国民に犠牲が出る前に阻止しなければならない。諸君、頼んだぞ」
「はい!」

81 :マングース西浦:01/09/29 11:41 ID:YqB9ONXQ
――
四人が警視庁に着いた頃、既に着任の式典は始まっていた。
飯田、石川、後藤の3人がたすきを掛け、警察の制服に身を包んでいる。
「奴らの腰を見て、三人とも拳銃を持ってる…」
「あの拳銃は『マサオチェック!』だね」
「何?」
「気をつけろってこと」

一方モーニング娘。の3人は注意深く周囲に視線を走らせていた。
(もしあの人達が来ても拳銃は撃っちゃ駄目だよ…絶対に脅しに使うだけだからね…)
小声で飯田が言ったのを聞き、石川と後藤はゆっくりと肯く。
しかし後藤の右手は既にしっかりと拳銃を握り締めていたのである。

「雅恵ちゃん、ここじゃ派手な技は使えないからね…」
「うん、分かってるよ。警察の人巻き込んじゃうしね」

ドキュゥゥ…ン

「『むらターボスピニングウルトラギガンティックバスターライフル』」
「なっ…」

突然村田の右腕が火を吹いた。
「ん?あれ?」
周りで絶句しているメンバーの表情で事態をなんとなく理解する村田。
「な…なにやってんのめぐちゃん!」

「だって大蛇が、大蛇が」

村田は夢の中でバイオハザードの中ボスとの戦闘の最中だったのだ。
「もう皆気付いて…あれ?」
村田の立てた大きな音にも関わらず警察関係者は誰も気付いていない。
「なんで?」
実は村田の持つ『妖精回路』はその持ち主や仲間が闘っている痕跡を、
悪人や偽善者以外には見えないようにするはたらきがあったのである。
メロン記念日が殺人犯として手配されていないのはそのせいだった。

だが、音が聞こえなかったのは警察署員にだけであって、飯田らモーニング娘。の
メンバーの耳にはしっかりと入っていた。

パン!

後藤真希が発見した四人に向けて躊躇なく発砲する。

「なっ、後藤さん何を…」

慌てふためく警察署員を飯田が必死でなだめる。
「皆さん!ハプニングです!不審者が入り込みました!ご…
 …後藤も撃ったら駄目って言ったでしょ!」
「やらなきゃやられるもんね。やられたくないし」
後藤は飯田の言葉に従うつもりなど毛頭無かった。
側にはうずくまって震えているだけの石川がいた。

「駄目!やめなさい!」
必死で後藤を押さえつけようとする飯田。
「うるさい!邪魔だって!」
ついに業を煮やした後藤は制服の懐から何かを取り出す。
「!なんなのそれ?」
飯田が無意識に後藤から離れる。
後藤の手に握られているものが何かは分からないが、
それが危険なものなのだろうということは何となく分かったからだ。

「あ…あれは…」
目覚めたばかりの村田の表情が後藤の手に握られたカプセル状のものを見て
急速にこわばっていく。

「あれは…生物兵器…」

村田の声が聞こえたのだろう。
後藤が村田の方をチラリと見てニヤリと笑った。
「ビンゴ」

82 :マングース西浦:01/09/29 11:43 ID:YqB9ONXQ
「め…めぐちゃん、なんでそんなことを!?」
「バイオハザードで見たことがある…あのアンブレラ社のエンブレムは…
 洋館での惨劇も…ラクーンシティーの事件も…全部あれが元凶だった」
「バイオハザードって何よ!?」
大谷の問いにしかし
「今はまだ…言えない」
なぜか答えを拒む村田。
(教えて先にクリアされてネタばれされたら困る)

「…とにかく、アンブレラ社のことまで知ってるなら話は早いね。
 この生物兵器は死んでる人も、生きてる人も犬もみんなゾンビに変えてしまうの。
 そっちの四人さんもここでこれを使われたら困るでしょ!?」
言いながらカプセルを更に高く掲げる後藤。
「後藤…あんた何者なの…」
飯田の顔から急速に血の気が引いていく。

「くっ…」
最後の手段として『おおたニキータグレネイド』を手に取る大谷。
「みんな逃げ…くっ!」
立ち上がって投げようとしたところで後藤が拳銃で自分の胸に狙いを定めていることに気付いた。
「死にたくなかったら武器を捨てて」
後藤が冷たい顔で大谷に命じる。
「みんな…ごめん…」
そう言いながら大谷がメンバーにウインクを送る。

「分かった。捨てる」
大谷は握った手を『おおたニキータグレネイド』から放した。
そしてそれが地に落ちる瞬間、微妙に右足を上げてそれを自分の目の高さまで蹴り上げる。
「なにっ!?」
一瞬の躊躇を見せる後藤。それが命取りになった。
「まさエルボースマーーーッシュ!!」
大谷の技で弾き飛ばされた手榴弾が後藤の目の前で爆発する。

「そ…そんな…私がこんなところで…ッ!!」

辻や加護、市井らの魂を冒涜した後藤の最期のセリフだった。

知らぬ間に後藤が死に、事態が分からず騒然とする警察署内。
「後藤…あんた一体…」
しかしすぐに気を取り直すと飯田は石川の無事を確認しようと視線を動かす。
「石川!だいじょ…あ…」
爆風に巻き込まれた石川が気を失っている。
「だ…大丈夫?石川!石川!」
目を覚ます様子はない。
仕方なく背負って逃げることにした飯田だったがもともと特別力の強い方でもない。
すぐに足がつかれて膝が折れ、転倒してしまう。
「い…飯田さん…先に逃げて下さい…」
飯田の背中でようやく石川が目を覚ました。
「駄目だよ…置いてったらあんたもなっちみたいに…」
「でもこのままじゃ二人とも…私、飯田さんまで巻き込んで死んだなんて思われたく無いんです」
「……石川……ごめん!」
飯田が無事逃げ出したのを確認した石川は、様子を伺いに来た四人に近づく。

「あ…こいつって…」
「モーニング娘。だよ」
腰を抜かして立てない石川を発見したメロン記念日の四人。
「私達は殺人者じゃない。怪我人はそのままにしておこうよ」
「うん」

そう言って遠ざかろうとする四人の背中に石川が声を掛ける。
「置いて行かないで…」
四人は一度顔を見合わせ、石川を捕虜として連れ帰ることに決めた。

83 :マングース西浦:01/09/29 11:44 ID:YqB9ONXQ
――一方、モーたいカンパニー
「ついに石川まで…モーニング娘。もついにたった二人か…」
飯田の報告を受けたばかりの中澤は石川の命が助かったことを知らない。
ふいに視線を横に移すと、そこには先日石川から贈られたワインがあった。

「今日は酔うかな…」

コルクを抜いてワイングラスに注ぎ、それをくゆらせる中澤。
薄暗く、狭くない部屋にただ一人の中澤。
「私も弱い女やな…」
視界が涙で歪む。
こんな時に酒へと逃げてしまう自分が情けなかった。
逃げてるんやない、石川の魂に乾杯や…
そう自分を納得させて一気に喉に流し込む。

「!?」
パリン…

不意に胸のあたりに違和感を感じ、グラスを取り落とす中澤。
(ど…どういうことや…まさかそんな…く…)
「か…かお…り…」
モーニング娘。大将軍の一生の幕は思いもかけずここで永遠に閉じられた。

84 :マングース西浦:01/09/29 11:50 ID:.F9LblUs
次回予告
捕虜と親交を深める柴田
なにも言えずに見過ごす三人
そしてたった一人残される右将軍
今、全ての誇り、そして日本の未来をかけた最後の決戦が始まる
次回、最終回『あした』

85 :マングース西浦:01/09/29 11:52 ID:.F9LblUs
人気低迷により最終回はスレッドを変えてお送りします
(スレッドの場所は告知しません)

86 :名無し募集中:01/09/29 13:47 ID:tr4u/v8M
sala

87 :元メロソ難民:01/09/29 14:44 ID:Rwp/DJwM
>>85
アンタどこまで卑屈なんだ…
頼むからここで書いてくれよ。

88 :名無しさん:01/09/29 17:23 ID:UlyMSfFk
昔から西浦さんは横やりにレスするのが好きだったみたいだけど…
そういうのないと燃えないですか?

89 :名無し募集中。。。:01/09/29 17:55 ID:.W2X7JL.
ワラタ

90 :名無し娘。:01/10/03 00:29 ID:77Q2UeZY
本当に違うスレッドにしてしまったんですか。

91 :マングース西浦:01/10/04 02:00 ID:lhlX7qsQ
このスレッドで再びお送りします

92 :マングース西浦:01/10/04 02:01 ID:lhlX7qsQ
最終回『あした』
たった一人になってしまった『モーたいカンパニー』会議室に一人佇む飯田。
もはやカンパニーは機能できる状態ではないが、名義上の大将軍は決めなくてはならない。
だが、飯田はそれを固辞している。
「大リーダーは祐ちゃん以外考えられない」
それが理由だった。
スポーツ新聞は一面にでかでかと『悲運のアイドルグループ』などという見出しを載せて
売り上げを伸ばしている。一人を残して全員が死んでしまうアイドルグループなど
前例がない。しかもそれが国民的なグループであれば尚更だ。

この時飯田は中澤がいつも腰をかけていた玉座の前に佇んでいる。
中澤の存命中は座ってみたいと思っていたそれだがいざ可能な状況になってみると
なぜかそうしようとは思えなかった。
「祐ちゃんが死んだなんて信じられない…」
普段の言動に似合わず子供っぽいところがあった中澤。
それが自分より先に死んでしまったということを、なぜか信じられないでいた。

後藤真希は先日の警察署での事件以降の調査により化学薬品会社『アンブレラ』の研究員
だったということが判明した。
生き返った辻や加護がクローン人間だったということも判明したが、
その会社にはまだまだ極秘事項が多すぎた。
一体何が目的だったのか…既に後藤本人がこの世にいない以上真実は闇の中に葬られてしまった。

また、石川が中澤にプレゼントしたワインから毒は検出されなかった。
その時飯田は一瞬でも石川を疑った自分自身を心底憎んでもいたのである。
飯田は密かに最後の花火を打ち上げることを決意していた。

93 :マングース西浦:01/10/04 02:02 ID:lhlX7qsQ
――一方、ハロプロ屯所
稲葉が入院したことでひとまず収束していた屯所内での抗争だったが、
新しい火種は生まれてきていた。
石川梨華、モーニング娘。からの捕虜である。
柴田本人からの熱心な直訴によって世話係は柴田に決められた。
最近では柴田はメンバーとよりもむしろ石川と過ごす時間の方が多くなっている。

「瞳ちゃん、どう思う?」
「あぁ、柴田のこと?…確かに心配ではあるんだけどね…」

柴田の心に休息が必要であることは誰の目にも明らかだった。
歳の近い石川と一緒にいることが休息になるならば…だが、
石川はただの『同年代の女の子』ではない。あの憎きモーニング娘。のメンバーなのだ。

「松浦の二の舞にならなきゃいいけど…」
「…うん」

――
「中澤さんも、飯田さんも、安倍さんも、保田さんも、矢口さんも、よっすぃーも、
 辻ちゃんも、加護ちゃんも、みんな楽しくて、かわいくて、やさしい人達だったよ…」
柴田が中学時代の友達の思い出話をした後で、ふと石川が口にした。
「…」
柴田は何も言えなかった。
それらの多くを自分達の手で葬ってきたのである。
「でも、私はしばっちゃんを恨んだりしない」
「…どうして?」
「しばっちゃんは今私のことを敵だと思う?」
「ううん」
石川はまるで子供のように単語で喋る柴田に微笑むと、
「私も思わないよ。だって、今は私としばっちゃんは友達だから…」
そう言った。
「…」
沈黙する柴田。
「人は変わっていく。それにつれて人と人の関係も変わっていくのかな…」
「…」
「♪人間なんてシャラ〜ラ〜ラララ〜だよ」
柴田は分からなくなっていた。
石川が善なのか、悪なのか、悪が善に変わることはあるの?
変わるとしたら変わる途中で悪と善の中間になったりするの?
だったら善と悪の二つの価値判断基準しか無い私の良心回路は…
知らず知らずの内に柴田の精神は更に疲弊を深めてしまっていた。

最後の任務が届けられたのはそんな日のことだった。
「『お別れ会を成功させよう大作戦』…か…」
今回は柴田は崩れ落ちなかった。
「モーニング娘。の最後の作戦にしてはこじんまりとしてるけど…」
「お別れを演出するってことなんだね…」
「それってなんか素敵じゃん」
モーニング娘。への敬意を込めて、
飯田を盛大に葬ってやろうと決意した四(三)人だった。
(飯田さんもやっぱり殺すのかな…)
柴田の胸中は複雑だった。

94 :マングース西浦:01/10/04 02:04 ID:lhlX7qsQ
お別れ会場に着くと、既に飯田はそこで四人を待ち受けていた。
飯田は四人を見据えている。
「復讐は何も生み出さない…でも、今のままじゃ死んでからみんなに会わす顔が無いの」
飯田の口調はあくまで静かだったが、その奥底には深い悲しみが込められているのが
分かり、柴田の胸を鋭く突き刺した。

「モーニング娘。のニューリーダーに敬意を表して…メロン記念日のリーダーがお相手します」
「めぐちゃん……めぐちゃん……めぐちゃん!あれ?」

村田は棒立ちのまま動かない。
何か考えでもあるのだろうか…そう思った斉藤は大谷に目で合図する。
(仕方が無い…二人で一気に決めよう…)
そんな時だった。

「うわっ!」
村田が目を覚ます。
「ど…どうしたのめぐちゃん!?」
「な…なんかでっかいやつが、でっかいやつが…ってなんだまた夢か」

「…夢…って…」

「ん?でかいやつが…」
村田の視線の先にいるのは飯田だった。
村田はお守りとして後藤が持っていた化学薬品会社アンブレラ製の
生物兵器のカプセルをこっそり持ち歩いていた。
最新鋭の超危険な生物兵器だけに厳重なプロテクトが施されていて、
1メートルの10倍の高さから落としても無事なのではないかと思えるほど頑丈だった。

「今度はやられるか…」

村田に続いて飯田が構えた。
「いいダッフンダ!」
「なっ…なに!?」
飯田の不意を突いたギャグについ吹き出しそうになる村田。
その隙をついて飯田が一気に大技を仕掛ける。
「かおリバースDDT!」
大技を完全な体勢で決められ、村田は再び夢の世界に送られてしまった。

「準備オッケー…」
村田が早くも夢の中でバイオハザードを再開した頃、
既に斉藤が汗だくの顔で飯田を睨み付けている。
「くらえーー!さいとウンコ投げーーーー!!」
空中で両腕を交差し飯田に向けて巨大うんこを投げ飛ばす斉藤。
「こ…これが辻と加護にあんなむごい死に方をさせた技…」
しかしそれも素早い動きで避ける飯田。

しかしその動きもメロン記念日は予想済みだった。
「そう来ると思ったよ…おおたニキータグレネイド!!」
しかしそれは飯田がいる方向とは全く別の方向に向かって飛んで行った。
「どこに投げてるの!?…はっ…まさか!」
大谷の『おおたニキータグレネイド』は斉藤の巨大ウンコに向けて投げられていたのである。
そこに更に柴田の必殺奥義が炸裂する。
「しばタイフーンドライバー!!」
「瞳ちゃん!伏せて!!」

カッ…

大谷と柴田の奥義の組み合わせにより爆風は通常の10倍となり、
斉藤の肛門から発射された巨大うんこを派手に爆砕する。
「そ…そんな!こんなミラクルなことが!!あああぁっ!!」
四散したうんこを体中でまともに受けた飯田が倒れる。
致命傷だった。

95 :マングース西浦:01/10/04 02:06 ID:lhlX7qsQ
夢の中でバイオハザードに夢中な村田以外の3人が飯田圭織という勇者に向かって駆け寄る。
うんこまみれで仰向けに倒れる飯田の表情は明るかった。
「悔いはないよ…これで…みんなと笑って再会できる…」
「飯田さん…」
柴田は既に泣いてしまっていた。
「…私達四人揃っていて勝てました。一人だったら絶対に勝てなかった…」
その斉藤の言葉に少し笑うと、飯田は静かに目を閉じて完全に動かなくなった。
「やっと終わったんだ…やっと…」
柴田が崩れ落ちる。

「しばっちゃんおめでとう!やったね!」
不意に四人の背後からそんな甲高い声が響いた。
そこにいたのは石川梨華である。
「なんであんたがここに?」
「え…えーと…」
「梨華ちゃん、なんですぐに答えられないの?」
柴田に言われて明らかに困惑したような表情を見せる石川。

「み…みんな!そいつに騙されたらあかん!」

「チッ…」
石川が大阪弁の声がした方向に視線を向けて舌を打った。
「生きてたんだ…しぶといね…」

そこにいたのは血だらけで杖をついてやっと立っている平家だった。
「そ…そいつはあんたらが出撃した直後大暴れして屯所のみんなを皆殺しにしやがった…
 私と…アヤカ以外は全員そいつに殺されたんや!」

「う…嘘でしょ…梨華ちゃん…そんなことって…」
「もうごまかせないな…」
石川の表情が邪悪に歪む。

「人は変わっていくって…梨華ちゃん言ってたのに…」
柴田はまだ信じられなかった。
「単純な奴は騙しやすいね…生まれつき悪人の奴もいるんだよ…そして、悪人ほど
 見た目はいい人っぽかったりする…」
「アンタ…なんてことを…」
先程のウンコ投げで体力を使い果たし、立っているのもやっとの斉藤が呻く。

「私が自分のことを生まれつきの悪人だと知ったのは5歳の頃…私はママに
 黒は悪者の色だって教えられた…知っての通りばいきんまんは黒いでしょ!?」
「だからって梨華ちゃんが悪人だなんて…」
一筋の藁にすがるような柴田。

「幼稚園のみんなが私を呼んだのよ…『黒んぼ』ってね…そう、私は生まれつき肌が黒かった。
 その時はショックだったわ…私が『悪人』だったなんて…ってね」
「ショックだったら焼けないように努力するとか…ポジティブな石川らしくないよ」
石川は大谷の言葉を一笑に伏してさらに続ける。

「努力!?勿論したわよ。だから私はいつもピンク色の服を着た。一生懸命女の子っぽく
 なろうとした。…でも、全て無駄だったわ」
「…」
「モーニング娘。になって気付いたの、私だけ黒い…みんな白いのに…全てが無駄な努力
 だったって悟らされたのよ…」
「…で…!?」

しばらく下を向いて黙っていた石川が柴田に促され再び顔を上げて叫んだ。
「それでなってやろうって決めたの…『大魔王』になってやろうってね!!」
「だ…『大魔王』!」

「フフフ…矢口真里を殺した通り魔は私…安倍なつみを殺して丘の上の公園に捨てたのも私…
 中澤裕子を毒殺したのも私…全て計算ずくよ…全部私がやったのよ!!
 フフフ…みんなが『なんで!?』って顔をしながら死んでいくのを見るのは楽しかったわ…
 中澤がくたばるところだけを見れなかったのは残念だったけど」
「で…でも、中澤裕子が飲んだワインに毒は入ってなかったって…」
「フフフ、毒なんて入れてないわ…バナナよ」
「…?バナナ?」
「知らなかったようね…中澤裕子はバナナアレルギーなの。それだけに匂いに敏感で、
 匂い以外の成分だけを抽出してワインに混入するのはほんと、『モー大変でした』だったわ」
「余りにも強いアレルギーが人を殺したっていうことなの…!?」

96 :マングース西浦:01/10/04 02:07 ID:lhlX7qsQ
がくがくがく…
と音を立てるように柴田の膝が力を失って折れまがる。
「光が…バーって広がったり、消えたりしている…」
普通の50倍の崩れ落ちかただった。
もはや立ち上がれまい…柴田の精神は完全に破壊されてしまった。

「アハハハハ…」
石川の肌が見る間に更に、更に黒く染まっていく。
闇よりも暗い『黒』に…
それだけではない。身長が普通の10倍の高さにまで伸びてしまっている。

「こ…今度こそ勝てない…」
大谷が『大魔王』と化した石川を見上げて言う。
「私も…もう戦えない…」
斉藤も覚悟を決めている。
柴田は完全に再起不能だった。

むくっ…
飯田の大技で気を失っていた村田が目を覚ましたのはメロン記念日に
絶体絶命の大ピンチが訪れたそんな時だった。

「我は妖精、『スーパーめぐたん』なり」

バッ!
音を立てて村田の背中に翼が広がる。

「アハハハ!!そんな小細工がこの『大魔王』に通用するものか!」
村田の頭上に向けて『大魔王』石川が巨大な右足を踏み下ろす。
しかし『スーパーめぐたん』となった村田はそれを羽根を働かせた素早い動きで避けた。

「うっ!」
石川がその時村田がいつのまにか持っていた『魔法のステッキ』で足首を突かれ悶絶する。

「す…すごい…すごい美白」
村田がステッキで突いた場所だけが色を塗ったように真っ白になっているのである。
闇よりも暗い黒を、『スーパーめぐたん』が一瞬で純白に変えているのだ。
痛くないはずが無い。
しかしその部分もすぐに黒く染まる。

「こ…このくらいでこの『大魔王』が…」
村田が石川の周囲を飛び回りながら何度も何度もその体を『魔法のステッキ』で突く。
そのたびに悶絶する『大魔王』石川。

しばらくしてメロン記念日のメンバーがある変化に気付いた。
「あれ?なんか『大魔王』小さくなってない?」
「そ…それになんか黒い肌がだんだん灰色に近づいているような…」
気のせいでは無かった。
石川の闇より黒い肌の色を維持している生体エネルギー『気』は無尽蔵では無いのだ…
村田の『魔法のステッキ』で突かれるたびに石川は膨大なエネルギーを消費していた。

数十分後、
ついに『気』が尽き体中が白くなり身長ももとに戻った石川がその場に倒れる。
生体エネルギーを完全に使い果たした証拠である。

97 :マングース西浦:01/10/04 02:09 ID:lhlX7qsQ
「『スーパーめぐたん』任務完了」
村田もそう言ったきり倒れると寝息をたて始めた。
これが村田の『妖精回路』が働いた最後だった。
なぜか村田の体内からはそれが消失してしまったのである。
誰か世界のどこかで『妖精』の救いを必要としている他の誰かのところへと
飛んで行ってしまったのだろうか…
そう、まさしく『妖精回路』が体内にあった時の村田は確かに妖精だったのである…

「し…しばちゃん…」
石川が動かない柴田の方に視線を移す。
「しばちゃんとは…もしかしたら…本当の友達に…なれ…て」
石川もそのまま永遠に動かなくなった。

――そしてこの時、メロン記念日の長いようで短かった任務も全て終わったのである

斉藤と大谷もその場に倒れ込み、全てを忘れそのまま寝てしまっていた。
目が覚めると、既に西の空が夕陽で紅く染まっていた。
「ねえ瞳ちゃん…これから…どうする?」
「柴田を…なんとか元どおりの生活が出来るまで世話してあげなきゃ…」
「そうだね…それが私達らしい…だって、私達四人揃って『メロン記念日』だもんね」

「私は…今度こそ本当の意味で『スター』になれるように…頑張ってみるわ」

そう言う平家に『なんだ、いたのか』という視線を向ける大谷と斉藤の二人。

むく…
そんな時村田が起き上がった。
そして颯爽と立ち上がると、突然夕陽に向かって駆け出す。
「雅恵ちゃん…一緒に行こうよ…柴田も連れてさ…」
「うん…そうだね…」
斎藤と大谷は二人がかりで柴田を抱きかかえると、村田を追い始めた。

「はぁ、はぁ、めぐちゃん…待ってよ!」
村田の背中を追いかける二人。
5キロ程も走っただろうか…そこで村田は振り返ると疲労困憊の
斉藤と大谷に両目が半開きなのを除いては爽やかな笑顔を向け、言った。

「さあ、アンブレラをぶっ潰しに行こうぜ!」

                  ―――完―――

98 :マングース西浦:01/10/04 02:11 ID:lhlX7qsQ
次回作をお楽しみに

99 :名無し募集中。。。:01/10/04 15:14 ID:b/hbq6Uo
終わっちゃったのかヨ!次回作もここでやって欲しいな

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                     l; :!    .|'"    ...ノ,゙./ │
                     l: l「    !    . ゙゙̄ /  ! ないのに」って確かデビュー曲でしょ?
今度聴いてみるね。




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